先月の大学受験の日、駅に送った息子からきたLINEを見て、手が震えた


「今駅でトイレからでてきたら、リュックがなくなった」


大学受験の当日に、彼の所持品は携帯電話ひとつになった


そこは無人駅

彼は駅にいるまわりの人に助けを求めた

同じ大学を受ける受験生の子が鉛筆を貸してくれ、知らない女性がお金をくれて、とにかく会場に行きな、とアドバイスをもらって、おかげで会場に行くことができた


受験を認めてもらうことができ、となりの席の受験生に教材を借りて勉強もして、無事に受験できた


リュックは大きい駅に届いており、その日のうちに回収することができた

その駅は無人駅のため、忘れ物だと思った誰かがわざわざ届けてくれたようだ


鉛筆や教材を貸してくれた受験生には2日目の試験のときに返してお礼もあげて、しっかり友達になった

その女性も探したが、2日目の駅でその人に会うことはできなかった



そんなことがあったよ、と実家の母に話したところ

それ1000円?と母に聞かれて

実際1000円で

そしたら母が、

あの時の1000円が返ってきたんだ!と言う


母に言われて思い出した

私が中学生のとき、私も駅で、お金がなくなったって言ってる女の人に1000円渡したことがあったのだ

その人は、返しますね、って言ってた

私はその人を信じたけど、帰って母に話したら、もう返ってこないよ、って言われた

そのまま忘れてたけど


だから息子に、

もし困ってる人がいたら、今度はきみが1000円あげなね、って話したのでした


いつかそれが、きみの大事な人を、大事な場面で、救ってくれるかもしれない



そして無事、合格しました


リュックなくなり事件のおかげで、

受験できるだけでありがたい

助けてもらった人たちへの感謝

そんな気持ちで受験にのぞめたことが、

逆に彼の心を落ち着かせてくれたみたいです


いろいろあった家の中で、彼のひたむきに頑張る姿に感動した

それは娘も同じみたいで、だれよりこの合格を喜び、力をもらったようだ

受験が終わったと同時にお姉ちゃんサポートにまわってくれて

これからの戦いの主力サポートメンバーになりそうです