【要点】
①損益計算書について
損益計算書は、会社の成績表である。収益という「稼ぎ」から、費用という「売上を稼ぐために要した努力」を差し引いたものが利益となっており、会社の業績がよければ、大きな利益が出る。
その構成は、5つの区分に分かれている。第1の箱は「売上から売上総利益」。第2の箱は、「販売費用及び
一般管理費、営業利益」まで。第3の箱は、「営業外収益から経常利益」まで。第4の箱は、「特別利益から
税引前当期純利益」まで。第5の箱は、「法人税、住民税及び事業税から当期純利益」まで。
○第1の箱
売上高総利益は、売上から売上を得るために係った直接的な費用を引いた残りの利益のことをいう。これは、商品・製品の競争力が表れる。
○第2の箱
販売管理費及び一般管理費は、本社や視点の営業部門、管理部門でかかった従業員の労務費、ビルの賃借料
、広告宣伝費をいう。売上高からそれに必要なコストを引いた「売上総利益」から販売管理費及び一般管管理費を引いたことで、営業利益は本業が生み出した儲けを示す。
○第3の箱
営業利益に、営業外収益、営業外費用を引いたものを経常利益という。本業で稼いだ利益に、本業以外の収益と利益をプラス・マイナスしたものが経常利益である。おおくは、財務構造を反映した財務コストを含めた会社の経常的な収益力を示している。
○第4の箱
経常利益に特別利益や特別損失を加えると税引前当期純利益になる。「特別」は、通常のビジネスには関係ない一時的で臨時的な儲けや損失という意味。一時的な利益や損失も反映した税金を差し引く前の利益を指している。
○第5の箱
税金を払った後の儲けを示している。

②売上高について
収益の認識は「実現主義」を基本としている。
実現主義では、販売という事実を重要視している。販売という事実を重要視している理由は、3つある。第一に、販売先に対して売上債権が発生し、代金回収が確保されており、財務的な裏づけがなされていること。第2に販売は、会社と第三者との取引であり、取引を証明する注文書や出荷伝票が作成されており、取引の客観性があるという点。第3に信用経済を前提とした合理的な方法である点だからである。現金主義は、今日のように掛売りや手形による販売が一般的な社会では、現実的ではなくなっていている。基本は販売基準だが、その他の基準もあるので、その例を挙げる。
○割賦基準
割賦販売を行った場合も、基本は販売基準だが、代金の支払が長く、上手くいかないリスクもある。この場合には、代金の支払がやってきた時(回収期限到来基準)や実際に支払があった日(回収基準)とすることが認められている。
○工事進行基準
通常は工事が完成し、引き渡した時点で収益が計上される(=販売基準)が、引渡し時点で巨額の収益が計上されてしまうため、工事の進行に応じて工事代金の一部を収益に計上するやり方が認められている。これは、発生基準に基づいている。長期の請負工事が普通、契約によって引渡価格が決まっていて、収益の実現が保証れれているので、工事の進行に合わせて収益を計上することが認められている。
○受託販売基準、収穫基準
受託販売基準は、受託者である問屋等が、委託された商品を販売したときに収益を認識するもの。収穫基準は、収穫や生産が完了した場合で計上されるもの。これは、政府などによる買入価格が決まっている生産物などに適用される。

③売上原価について
会計では、他から仕入れたものを「商品」、自社製のものを「製品」という。商業は、商品が主役、製造業では、製品が主役となる。
売上原価は、売上高に対応する原価のみが計上される。収益費用の原則に基づいている。例えば、棚卸資産として、収益から差し引くべき費用は、収益という成果を得るために費やした費用に限定している。

④営業利益
営業利益は、会社の本業のビジネスが稼いだ利益、儲けを表す。尚、連結決算会社の場合、営業利益は、会社全体一本の数値だけではなく、セグメント別(事業分野)乃至は、地域別の営業利益を出すことになっている。販売費・一般管理費は、発生主義と期間的対応をとるという2点が重要。尚、売上原価は、個別的対応をとる。

⑤経常利益
会社全体が本業のビジネスに加え財務活動の結果も含めて利益を稼いでいるかを表す。営業外損益は、金融
収益及び金融費用、投資による損益と、営業活動以外の原因によって生じるうちの特別損益に含まないものが該当する。

⑥税引前当期純利益
経常利益に、特別利益と特別損失を加えたものが税引前当期利益となる。特別利益・特別損失は、経常的ではなく、臨時的に発生する利益や損失(臨時損益)、過年度に発生した収益、費用の修正(前期損益修正)などである。営業外損益か特別損益かを判断する際には、「重要性の原則」を適用する。金額が僅少なものは、営業外損益で処理をする。税引前当期利益は、臨時損益と前期修正損益が加味されるため、当期業績とは直接関係ない項目を含んでいる。これを「包括主義による損益」という。これに対して、「当期業績主義」という考えがあり、経常的なモノだけを集めて計算された損益をさすものもある。

⑦当期純利益
税引前当期純利益から法人税、住民税及び事業税を控除した利益が当期純利益である。法人税、住民税、事
業税は会社の利益が課税所得のベースになっているため、税引前当期純利益から差し引いている。それに対
し、固定資産税や自動車税、事業税は通常、「租税公課」や「公租公課」として原価や販管費として処理される。しかし、法人税や住民税は、税金の計算は、法人税法をベースに計算をされており、損益計算書に計上されている税引前当期純利益が課税対象ではなく、独特の調整計算が行われる。この計算によって算出された利益が「課税所得」になる。税金の計算は、法人税法をベースに計算をされており、会計と税務では収

益と費用の認識や資産、負債の計上額に違いがある。会計上の税引前当期利益に対応した法人税等に合致す
るように調整をする。それが法人税等調整額である。こうした仕組みを「税効果会計」という。

以上
【要点】
①決算書について
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、株主資本等計算書(利益処分計算書)、営業報告書、付属明細書から構成されている。特に損益計算書と貸借対照表、キャッシュフローが重要。

②損益計算書と貸借対照表、キャッシュフロー計算書について
それぞれ特徴がある。損益計算書は、会社の経営成績を表し、5段の引き出しがある。貸借対照表は、財政状態を表し、キャッシュフローは、現金収支を表す。

③期間という考えについて
企業も永遠にビジネスを続けていくことを前提に活動を続けている。これを「企業の継続性」という。会社が終わるときに経営成績や財政状況を説明しても意味がない。そこで、1年後と区切って説明する。それを「会計期間」という。

④期間損益の計算方法
期間損益の計算は、期間収益ー期間費用=期間損益となる。ここで重要になってくるのが、発生する収益と費用を会計期間に正しく帰属させること。そこには4つの原則がある。
○実現主義
収益の認識は「販売という事実」を基準としている。それには、「出荷基準」や「検収基準」があり、販売という事実をいつ認識するかによって異なり、この基準がポイント。
○発生主義
費用の認識については、原則「発生主義」に基づいている。「前払費用」や「未払費用」などは、それが表れている例といえる。これらは、発生に主義に合わせて「費用の繰り延べ」や「費用の見越し計上」を考えている結果である。収益も費用と同様に、収益を見越す未収収益、収益を繰り延べる前受収益がある
○費用配分の原則
発生主義は、費用配分の原則と結びつき、「すでに消費された費用」「また消費されていない費用」に区分するものである。
○収益費用対応の原則
収益費用対応の原則は、実現主義によって計上された収益と論理的に結びついている部分のみを費用として認識しようとするもので、その期間帰属は財貨や徭役の消費事実の関わりから測定するものである。
収益と費用の直接的な対応関係を「個別的対応」といい、費用と収益との因果関係が見出しにくいものについては、「期間的対応」をとる。

⑤会計原則について
会計原則の上位概念として会計公準があり、それは「企業実態の公準」「継続企業の公準」「貨幣的評価の公準」の3つに分けられる。企業実態の公準とは、「企業会計は所有と経営の分離の下で、会社という企業実態を会計単位として設定する」というもの。継続企業の公準は、「企業を永遠に継続するものとして仮定し、期間損益計算を行う」というもの。貨幣的評価の公準とは、「貨幣額でもって経済活動をい統一的に記録する」というもの。この概念を基につくられている。
その会計原則には「一般原則」「損益計算諸原則」「貸借対照表原則」の3つから構成され、このうち「一般原則は「真実性の原則」を中心に7つの原則から成り立っている。真実性の原則は、「真実の報告を行わなければならない」また、その真実性は、「会計上の真実性は絶対的な真実性ではなく相対的な真実性である」
○正規簿記の原則
「企業会計は全ての取引につき正規の簿記の基準に従って正確な会計帳簿を作成しなければならない」という記録に関する原則。
○資本と利益区分の原則
「資本取引と損益取引を明瞭に区分。特に資本剰余金と使役剰余金とを混同してはならない」ということ。資本は社外に流失してはならないもの、利益は社外に流出できる。ゆえに、資本と利益を混同してはならない。
○明瞭性の原則
「企業会計は財務諸表によって利害関係者に対して必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせてはならない」というもの。
○継続性の原則
「企業会計はその処理及び手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更しない」というもの。財務諸表の比較可能性と経営者の利益操作の排除をねらっている。同一の基準が用いられていれば、そこに利益操作はなく、真実なものとしてみなされる。
○保守主義の原則
「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて健全な会計処理をしなければならない」というもの。将来予想される損失、リスクを常に先取りし、資産内容を堅実なモノとして将来のリスクに備えるというもの。「予想される利益は計上しない。予想される損失は計上しなければならない」
○単一性の原則
財務諸表の作成に当たって内容の異なる2つ以上の財務諸表を作成してはならないというもの。異なる目的(総会や租税など)で異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、その目的によって事実の真実な表示を変えてはならない。二重帳簿作成禁止などを指している。


⑥会計の歴史について
-1損益計算書
会計の基礎は、中世イタリアの冒険商人から始まった。公開が終わったときに、出資者に対する公開に関する事実説明から始まった。この時は、1つの航海毎で設定をしたが、産業革命以降、航海のような当座企業から継続企業へと変化し、「企業の継続性」を前提とした損益計算が生まれた。
-2貸借対照表
債権者保護や課税という観点から財産目録が作られた。それが、貸借対照表を要約したもので、「債権者に対して企業が解散した場合に支払われる解散価値による弁済能力を示すもの」である。
これから貸借対照表は、期間損益計算の結果として機能しているという考えが唱えられ、財産計算から損益計算への重点が移った。
-3会計原則
1929年の世界恐慌の際、会社側の不正経理や虚偽報告によって投資家が大きな被害の受けたことから、財務諸表作成にあたり準拠すべき「一般に公正妥当と認められた会計原則」が誕生した。
尚、日本の会計原則では、「企業会計原則は、企業会計実務の中から慣習として発展したものの中から、一般的に妥当と認められたところを要約したものであって、必ずしも法令によって強制されないまでも、全ての企業がその会計を処理するに当たって従わなければならない基準である」とある


レビューをwordで書く際は気をつけよう。

ユニクロの成長・繁栄はいかにしてもたらされたのか、これまでの歩みが綴られた本。柳井氏の経営手腕に光が当てられ、伸び悩んだ時期、そこへの突破口を見つける力が記されている。大企業と称されるまでになっても、決してベンチャースピリットを失わず果敢に挑戦していく点が、ユニクロの強さを支えていることがわかる。本書は柳井氏の著作ではないので、客観的に彼のすごい所と、逆に周囲からどう見られているか、やや一匹狼的存在となってしまっている点も指摘されていて面白かった。


本書で、これこそがユニクロの強さだと特に印象に残った点をふたつ挙げたい。

■ステークホルダーとの良好な関係をきっちり築いている

 →ユニクロは商品を中国の協力工場に発注しているが、小売業界では異例の完全買取が前提。

  売れ行きが悪いからといって、返品したりしない→工場側から信用できるメーカーとして認識される→向上の従業員のモチベーションが維持され、品質は落ちることなく納期も必ず守られる

→結果、作り手も消費者もみんな満足。

「関わる人間がみんなhappyに」の思想が貫かれていることがよくわかる。


■ベンチャースピリットを失わない

大企業ともなると守りの意識が前にでるが、柳井氏にはそんな意識は毛頭ない。いつでもユニクロという現状を壊してもいいくらいに感じているそう。海外進出や野菜販売の事業など、失敗に終わった事業も多々あることがそれを証明しているということである。

また、一時社長の座を譲ったがすぐに返り咲いたのも、後任者が守りの姿勢で仕掛けることをしなかった点を理由のひとつに挙げている。

ただここで面白いのは、「自分が創業して自分が大きくした会社だから、(後継者に座を譲ることで)自分のものを勝手にかき回される感覚があるのかもしれない」という一般論が、柳井氏にも当てはまると指摘されている点。ベンチャースピリットを掲げているが、仮に後任者がものすごい奇抜なアイデアを出していたとしても、自分の会社には合わないなんて認めないこともあったのではなかろうか・・・と感じた。(逆に人間らしさが伝わってきて親近感を覚えますが)

 これだけこだわりの強い人間だからこそ、着いていく者にも覚悟がいるようで、ユニクロ社員の流動性(すぐに辞めていく人間が多い)という事実も明かされていた。


全体を通して、

・仕掛けなければ始まらない

・仕掛ける先には必ず関係者全員の満足する顔がある

この2点をきっちり抑える重要性が伝わってきた。

安定しているけれど代わり映えしない現状になんとなく物足りなさを感じている人や、

ベンチャーとは何ぞやと思っている人に、勉強になる一冊だと感じた。












【経営パワーの危機】 三枝匡 日経ビジネス人文庫


三枝三部作の2作目。二回目だけど、これもタイムリーなので。


架空のある企業が大赤字構造を脱して、
さらに飛躍的成長を遂げるまでの組織と戦略とリーダーの話。

エッセンスはきわめてシンプルな戦略論と
強力なリーダーシップ論。


あー、うらやましい。


尊敬できる経営者の下で、後見を得ながら、経験を積むということ。
そんな経験ができる人は、世の中にどれほどいるのだろうか。


印象的だった言葉、
「組織の器は経営者の器まで落ち込むもの。でも、自分の器はいくらでも大きくできる。」


受け入れたい言葉です。


柏、ラストです。

■書籍名:何故あの会社はメディアで紹介されるのか?
■著者:西江肇司


本蔵庫


PRに対する知識がほとんどない状態でPR会社を立ち上げた社長が、メディアで紹介されるための55の法則を解説する、といった内容。キャンペーンや人物売込など割と派手目の事例が多いのですが、解説が具体的なため、ひとつひとつの法則は自分にも理解しやすいものだった。


特に、法則11で述べている「難しい事を難しく説明するのは簡単、難しい事を分かりやすく説明するのは難しい」という言葉は、毎回リリース作りに苦心している自分には非常に刺さる台詞だった。

これを解決するひとつの手法として、売り込みたい商品・サービスの特徴を誰もが一瞬にして理解できる「1フレーズ」として3~6個ぐらい用意しておく事、としていたが、この1フレーズを作るには対象となる商品・サービスを深く理解したのち、自分の中で咀嚼しきれていないと簡単に出てこないであろう。

今の自分には、リリース対象とそれを取り巻く環境(市場動向、競合他社)を俯瞰的に理解することが何より大切であると思った。


なお、本書中盤で登場する「PRのセンスを身に着けたければ、最先端の成功事例を300パターンほど覚えてしまえ」という法則は、今まで見てきた広報ノウハウ本にはなかった指摘なので、その強引さにやや驚いたが、多くの事例分析を経て、クライアントから与えられた要望を効果的なPR手法に転化させていった著者の説明には非常に説得力が感じられた。

上記に関連し、巻末に著者がまとめた100パターンのPR事例(やや俗っぽいものが多いが)が添付されていたので、コピーを手帳に貼り付けて頭の中に入れておきたいと思います。

【本の紹介】
会議が上手くいったとき、なんだかとても気持ちが良く、有意義だったなと感じる。
それは、偶然なのだろうか?もしこれが必然的に作れるとしたら、どのような点にポイントがあるのだろうか。
本書では、元コピーライタであり戦略プランナーの筆者が、アイディア創出という観点から会議の進め方をしめしてくれている。


【要旨】
本書では、会議をアイディアを出す場として位置づけている。
これを前提とすると、会社で行われる決裁会議や、営業報告といった会議は、当てはまらないと思うかもしれない。
それに対して、筆者は言う。例えば、営業報告も現状の営業に対する改善を話し合う場である。
ゆえに、会議は、アイディアを出す場所といえる、と。
会議をアイディアを出す場として考えることによって、例えば営業報告会などは、「詰め会」になりがちである。
これは、営業社員の保身に繋がりやすく、その場限りの対応になってしまう。それは、本質的な解決にならず、営業マンも益々苦しくなる。
これをアイディアをゴールとした場合、一目瞭然の数字的な報告は省略し、数字に表れない隠れた本音を引き出す中で、本質的な問題をクローズアップすることができる。
そして、アイディアをよりだすようにするためには、
①会議に気持ちを持ち込むこと②右脳を使うこと③発言のひとつひとつに敏感になること④仮説を準備させること
⑤意見を繋げる意識をもつこと これらのことを意識する必要がある。
会議は、感情に左右されがちなものである。
その気持ちがポジティブであれば、広い視点が生まれるが、逆にネガティブである場合、停滞感につながる。
会議の結果は、ロジカルに判断をする必要があるが、それまですべてロジカルにすすめると、硬直化が生まれる。
気持ちを持ち込むということが大切である。
そのためにファシリテータが注意すると良いことは、こんなことである。
①メンバー感の警戒心を解くこと(特に話さない人を話させる)②笑いを効果的に使う③ダメ、無理などを言わない。
そのためには、結論を急いだりしてはならない。また言葉を遮ったり、沈黙を恐れない、共感することが大切である。

【感想】
会議(話し合い)は、私の研究テーマであります。(笑)
そこには、人の集まりがあるわけで、集団で何かを成し遂げていくには、必ず生じる行動である。
その会議(話し合い)が円滑であることは、非常に重要である。
本書の面白いところは、会議をアイディアを出す場所と定義づけているところ。
会議そのものの定義づけにもよるが、ほとんどの会議は、確かにアイディアを生み出す場所といってもいい。
ポイントは、「会議はアイディアを生み出す場所である」という共通認識を参加者が持つことではないかと思う。
そして「(会議で)いろんな手法を行うことを許容する」という雰囲気が、参加者に持ってもらうことが一番難しい。
ビジネスは忙しいため、常に効率性を求める傾向にある。
そのため、既存のフレームワークを踏襲する傾向が強く、それを変えることに対する心理的な抵抗はそれなりに強い。
試行錯誤の試行を行うことが難しく、抜本的な変革を起こすことがなかなかできない。
変革には、勇気と寛容が必要か。





wordで書くと、ツラツラ長くなってしまいますね。すみません。


何が起こるかわからないこの時代。自分のキャリアをめぐる状況をどのように捉え、どのような戦略をとるべきなのかを説いている本。人生プランをきちんと立てましょう、と説く本は巷に溢れているけれど、本書はその考え方に異を唱えている。計画的なキャリア設計は破綻すると。

確かに、何が起こるかわからない変化の激しいこの時代だと、本書の考え方は有効だと感じた。


「キャリアショック」とは、自分が描いていた将来像が、予期しない環境変化や状況変化により、短期間のうちに崩壊してしまうこと。キャリアの八割は、基本的に予期しない偶然の出来事によって形成されるのだそうだ。よって、どんな状況にも柔軟に対応できる適応力、自ら成長の機会を創出・道を切り開いていく自立・自律の精神が必要なのだという。



やや話はそれるが、印象的だったのが、ハイパフォーマンスに必要なのはスキルとコンピテンシー以上に「仕事への動機」。つまり、その仕事に幸せを感じられるか否かという論点。憧れる先輩がいて、その人のスキルやコンピテンシーを身につけたところで、その仕事に喜びを見出せるかの根っこの部分が確かでなければ意味が無いのだという。日本の会社員及び企業は、特にここを見逃しがちなのだそうだ。みんなが自らの動機に突き動かされるように仕事に励んだら、どんなに強い組織になることだろうか・・・。そんな風に働ける環境を会社が作れたら最高である。



異質経験を積極的にせよ(させよ)、という話も印象的だった。求人の際、企業は職種経験がある人ばかりを採用したがる。これまで培った経験をすぐに生かせると考えるから。でも、異なる経験のある人間の方が、違った視点での発想が出来たりして結果的に成功を修めるケースがあるのだそう。個々人は、積極的に新たな業務にチャレンジする精神を持つことが大切だし、企業もそれを歓迎するくらいの器がないと、新しいものは生み出せないということなのだろう。



長くなってしまったので、最後に、キャリア切り開き型人間の発想の特徴としてまとめられたものを紹介して終わりにしたい。

■自らの差別性・希少性に重きを置く ■異質経験を生かす ■今後の動向を読んで自分を賭ける ■自分の好きなようにやる環境を求める ■自分はこうありたいという明確な自己意識を持つ ■時に直感で判断する ■職業倫理を持つ

自分としっかり向き合う時間をもう少し作っていきたいと感じた。





【イノベーションの本質】 野中郁次郎 勝見明 日経BP社


キーワード「イノベーション」の理解のために読んだ本だが、
いわゆるイノベーションにフォーカスしてるわけではなく、どちらかと言えば
ビジネスにおける成功メソッドの解明、という感じ。
けれど、13の事例検証から本質をえぐってるのは間違いなく。

出てくるのは、いつものエッセンス。


・コンテキストを共有する場をもつこと
・仮説を持って、検証すること
・二律背反でなく、共創をめざすこと


おそらくは、イノベーションに近道は無く、
これらの成功の基礎の上に、地道な積み上げがあってなされるもの、
と想像されます。

よい本でした。


柏、3冊目のレビューです。
※若干、検閲に引っかかる記述があるかも知れません。

■書籍名:ウェブはバカと暇人のもの~現場からのネット敗北宣言
■著者:中川淳一郎


本蔵庫


ITコンサルタント・梅田望夫の著書「ウェブ進化論」と対極にあるのが本書。 今までネット礼賛本しか見た事が無い自分にとって、ここまでネットの負の部分を 執拗に記した書籍はある意味で新鮮だった。

WEB2.0など、夢にあふれた原理や技術がもたらす可能性について説く「頭の良い人」だけが ネット世界に存在するのではなく、実際にはそれ以外の「普通の人」「バカな人」の方が ヘビーユーザーとして圧倒的多数存在する事を、「WEBサイトの運営当時者」である 著者の経験から力説している。

芸能人ブログの炎上騒ぎや、学校裏サイトでのイジメなどの報道を見る度に そういう事を仕掛ける人間に対する疑問や怒りが個人的にもあったので、 実例をベースに、彼らの行動や特徴を(半ば皮肉めいて)分析する内容は読んでいて爽快だった。

WEBサイトの運営者として、そういったユーザーばかりを相手にしてきた著書が 導き出した答えとして、

・ネットはプロの物書きや企業にとって、もっとも発言に自由度がない場所である
・ネットで消費者の声を聞くのは無駄

とあるが、「読者視点で信頼できる情報」を提供する限りにおいては上記の結論は当てはまらないと感じ、また、そういった情報を発信し続けてている弊社の強みを再認識した。


「ネットに過度な期待は持つな」、「ネットはこれ以上進化しない」というのが本書の結論ではあるが、これもあくまで「頭の良い人以外」を対象にした一側面の話として捉えておきたい。

全般的にマイナス論調が目立つものの、著書は"暇人"と称するネットヘビーユーザの特性を把握しきっており、ネットに対するある種の愛情すら感じた。特に、企業がネットを使って成功する為のプロモーションとして紹介している提案事例は一見馬鹿げているものの、大手広告代理店に在籍していた経験のある著者ならではの、「ネットでしかできない面白い」試みだった。


なお、著者が【ネットでウケるネタ、9項目】は弊社の人気記事ランクにおいても当てはまるものがいくつか見受けらたので紹介しておきます。

①話題にしたい部分があるもの、突っ込みどころがあるもの
②身近であるもの(含む、B級感があるもの)
③非常に意見が鋭いもの
④テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、Y!トピックスが選ぶもの
⑤モラルを問うもの
⑥芸能人関係のもの
⑦エロ
⑧美人
⑨時事性があるもの



【本の紹介】
会議を円滑に進めることが必ずしも理解を高めることにはならないときもあり、よい結果に繋がらないときもある。
もちろん、会議の種類によるのかもしれないが、結論を出すようにまとめあげられる。それは、至極当然のこと。
しかし、しばしば会議にでた意見の背景や考え方は、無視され、話し合う対象から外れてしまうときもある。
会議が終わった時には、それが効率的であるかに見えるが、そうでもないだろうと感じるときもある。個人の納得感が高まらないことは、気がつかないうちに溝を作ってしまったり、行動へと結びつかないこともある。
会議で話し合われる内容にもよるが、よい会議(話し合い)はどのようなものだろうか。
個人的とても興味のあるテーマである。
『On Dialogue』という本書には、話し合いに関する1つの考え方が展開されている。

【要旨】
本書では、物理学者であり思想家である作者が、チームや組織、家庭や国家などのあらゆる共同体を協調に導く、コミュニケーションの技法、『Dialogue』について書かれている。
この数十年間による近代テクノロジーのおかげで、コミュニケーションネットワークは発達したのだが、その一方で、コミュニケーションの崩壊が起こっている。それは、なぜか?
コミュニケーションの崩壊は、相手の言っていることを聞いていないという「誤訳」に起因していると筆者は言っている。
コミュニケーションは、人々の考えを共通化するという意味である。つまりある人から、別の人へ、正確に情報や知識を告げるという意味である。そのコミュニケーションには、本書のテーマである、話し合いから、新たなモノを一緒に創造する(=『Dialogue(対話)』)という行為も含まれる。こうしたコミュニケーションができるのは、相手の話に偏見を持たず、自由に耳を傾けることが出来る場合に限られる。
しかし、これを実際に行うのは非常に難しい。多くは相手の話を聞いたと思い込みがちなのである。人は、知らずしらずに「遮断=ブロック」をしているのだ。話し合いをしているときに、注意深く目を配れば、相手が恐怖心を垣間見せたりすることで、自分の考えを防御していることやが分かったりする。各自がコミュニケーションをブロックしているものに注目し、適切な態度で内容に参加すれば、対話を含むコミュニケーションやが上手くいくかもしれない。
では、筆者のいう「対話(=話を往復し、新たなモノを一緒に創造する)」は、どのようなものなのかだろうか。
それは、グループ全体の話し合いから一種の流れが生じ、そこから新たな理解が現れてくるもの と言っている。
対比として、ディスカッションを例とする。ディスカッションは、分析し、解体をするを意味している。つまり、ディスカッションの基本的な姿勢は打ち負かすことであると筆者は言っている。
対話はあくまで、勝利、敗北という対立軸が存在しないものであり、意見を押し通すようなことはない姿勢なのだ。対話は共に参加し、共に勝利をするというものである。今、対話が求められている理由は、これまでのようなディスカッションという方法では、コミュニケーションがなされないという問題が実際に起こっているからである。
この対話というやり方が有効なのは、個人が持つ意見(想定)を全体的なプロセスに取り込んで、集団としての思考プロセスに組み込むことが出来るからである。
つまり、誰もが異なった意見(想定)を持っており、自分の意見(想定)に対して挑戦を受けると守りに入ることで、でコミュニケーションが上手くいかなくなるのに対し、対話は、共有を目的としているから、コミュニケーションをスムーズにさせることができるということである。
では、その対話はどのようになされるべきなのであろうか。筆者は、4つ程ポイントを挙げている。
①人数
本書では、20人~最大40人が1つのグループとしてなされるべきであると言っている。
5人~6人といったグループでは、小単位すぎて、参加者が「心地よい調整」を図ってしまうといっている。20人を超えてくると、1つの集団で「文化の縮図」が出来上がる。この文化の縮図の中で意味を共有できると、個人の思考よりもはるかに強い力を持つことができる。なぜなら、この集団の共有を行う過程で、お互いが、暗黙知レベルでの結合を始めているからだ。元来人間は、この暗黙知で、行動をとっていることが多く、その結合は非常に強固なものになる。この20人による対話のプロセスを経ることが大切なのだ。
②議題やリーダーについて
また、筆者は、リーダーを置いたり、議題をおくべきではないとも言っている。このやり方は、非効率的に思えるかもしれない。しかし、対話は、お互いが信じあい、理解して、物事を共有できる関係を気づくことが対話の目的である。これは時間のかかることなのかもしれない。しかし、そのようにして作っていくものであるのだ。決して、何かを義務付けた話をしては良い結果を産まないのである。議題(目的)やリーダを置くような制限のある中では、首尾一貫をした理解を創り上げることはできないのである。
③姿勢
筆者は、会議に臨む姿勢についても言及する。想定(思考)を保留状態にすることが必要であると本書では語っている。つまり、人の意見について、反論したり、結論付けるなということだ。その理由は、他人の意見に対する自分の反応に着目することで、自分の考えが何に影響を与えられたかを理解することが出来るようになるからである。つねに、人は自分の持っている積み上げられた経験(思考)に影響されていることを受け入れるべきなのである。それが、自分の理解と他者への理解へ繋がる。
④留意点
作者は、対話を進める際の注意点として、「必要性」という言葉に注視しなければならないといっている。
必要性は、強烈な衝動が生まれる。対話では、この個人が持っている衝動が、対立を生んでしまうことになりかねないからだ。深刻な衝突はすべて、この「絶対に必要」ということに関する価値観の違いから生じてきいるものである。その衝突が起こったときに、お互いが自分の必要性に固執してしまっていては、始まらない。個人が、「固執してしまっては、すすまない」という疑問持つことが、違うアプローチへ繋がるかもしれない。そのようにして、全ての物事が、前よりも対処しやすくなり、対立から、新しい独創性をつくることが出来るのである。これが、対話の注意点である。

対話は、非常にやりづらいもののように見えるかもしれないが、そのプロセスが重要なのである。
その話し合いのなかで、個人が首尾一貫した共有をしていくことに意味がある。
その暗黙知レベルの共有が、これまでの全く違った理解、コミュニケーションを生み出すのだ。

【感想】
会社という有限な時間の中であれば、このような対話は難しいかもしれないが、このダイアログというスタイルには、取り入れるべき手法があるように感じた。特にグループに対し、自立と有機的な結びつきを促進し、グループとして成果を出していくためには、このようなプロセスがなされていくのは、効果的な面があると考えている。なぜなら、このプロセスは個人が考えて行動をすることが、この対話でより求められるから。
必要なことを自発的に生み出していくのは、議題を結論つけている最中ではなく、ちょっとした個人の雑談ともいえない意見の中で感じることも経験上ある。そんな時間の持ちことも面白いので、試してみたいし、他者の意見に対する姿勢を考え直してみたいと感じました。

(以上)