いい人 | Kさんちの生活+ときどきSさんち

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80代の老夫婦。ある日父が救急車で運ばれて…今は在宅で母が父を介護している。書いているのは娘。同居の義母は認知症入り口らしい。
というところから始めて、今は実家は母が頑張っていて、義母はどっぷり認知症…

昨日のことを思い出してさらに気分は落ち込む。

何十年もがまんしてきたこと、ここ数年さらに我慢してきたこと、全てが無駄になった気がする。

何より、あとどれくらい一緒にいられるかわからない人たちを傷つけてしまったことがしんどい。

 

うちの両親も義母も「いい人」なのだ。

意地悪な気持ちはないし、本当は子どもに迷惑なんかかけたくないし。

 

義母は元気な時はピンピンコロリと何度も唱えながら、脳トレやら体操やらウォーキングやらに精を出してた。

結婚前はずーっと実家の手伝い。

結婚後15年くらいは多分幸せだったと思うけど、

夫が中学生の時、夫の父が筋萎縮性側索硬化症になり、それから30年近く近くでアルバイトをしながらほぼ最後まで介護をした。

入院したのは最後の二日間だけだ。

義父が拒否したので他人の手は一切借りなかった。

義父が大工だったため、年金は雀の涙。でも、どうやって貯めたのかそこそこの貯金があった。

認知症になって、元々の頑固さが顔を出すことはあるけど、比較的機嫌よく穏やかに過ごしている。

 

父は元々わがままな人だけど、理性的で、怒られたのは過去二回ほど母に暴言を吐いた時だけ。

子供の頃私が入院した時は一ヶ月間毎日欠かさず夕方から私が寝るまで病院にいてくれた。

なかなかに面白い人で、昔は男女差別もなく、母とも仲が良く、きちっと話をすれば何かをするのにいつも応援してくれた。

サラリーマンとしてはそこそこ成功した人だが、偉くなるにつれちょっとがっかりする人になっていき、

頑固ジジイになったけど、孫のことは本当に可愛がってくれた。

あの世代にしては、妻を大事にしていい人なんだそうだ。まあ、そうなんだろう。

 

母は献身的な人だ。夫にも子どもにも。

間違いなく弟と私を斉一杯愛して育ててくれた。

だから家にいる時は母が大好きだった。

時々違和感はあったが心配性だからだろうと思っていた。

結婚して家庭を持ち、娘を持ち、色々な人たちと付き合うにつれ、

もしかして母は変わり者なのかと気づいた。

空気が読めないし、視野が狭い。お世辞、嫌味がわからない。

私もその傾向はあるけど、経験を積むにつれ、うまく回避したり気をつけるようになったが、

母にはそれが全くないのだ。

しかし、あくまで善意の人なのだ。

 

もっとわがままだったり傍若無人なら、ある意味楽に接することができるのだが、

両親は私より神経が細いし、悪意はないので、ものすごーく気を遣う。

失敗するとすぐもういいとか死にたいとか言われちゃって、かえって大変な思いをする、私が。

 

そう言う意味では義母は認知症のせいもあるだろうが、クヨクヨしないのでありがたい。

 

自分に余裕があればもう少し優しくできるのかなー。

元々イラチだから無理かー。