アートの元
丸木美術館に行ってきました。
埼玉県の東松山にあるこの美術館は,
画家である丸木ご夫妻が私財をはたいて,40年近く前に建てられたものだそうです。
丸木位里さん,俊さんといえば原爆の絵で有名ですが,
イデオロギー的なメッセージが前面に出過ぎているアートが好きでない私は,
その種の絵を進んで観に行く事はありません。
今回は,この美術館の企画展に行こうという同僚の誘いにのり,現物を拝見するのは初めて。
階段を昇って,正面の展示室は,絵本の原画が中心の小さな部屋。
私が思っていたような「反戦!平和!」を声高に叫ぶような作品ではなく,
色も構図も非常に美しく,完成されていて,幻想的なイメージがよい感じ…(*⌒∇⌒*)。
好きな絵本作家イワン・ガンチェフにも通じるものがあり,
偏見は見事に砕かれました。
隣の大きな部屋に移ると,お二人の代表作である巨大な原爆の絵が並びます。
…
離れて全体を観て,近づいて詳細な部分を観る。
これを何度も繰り返しながら
ただ,黙ってそれぞれの絵と対峙する…。
こうしているうちに,
ほんとうの表現って何か,それはどうやって表されるのか
という個展後に抱えていた漠然とした問いに,少しだけ答えを得たような気がしました。
私がメッセージ性の強すぎる絵が好きでないのは,
薄っぺらい「作り物」感があって,無理に人を動かそうとする意図ばかりが目につくからですが,
しっかりと,表現者の底に刻まれ,
どうしようもなく,
表現せざるを得ないものとして現れてきた作品は,
深く人を動かし,静かにそれを伝えることができる。
これがその答え。
また,丸木位里さん,俊さんの作品が高い芸術性を放つのは,
制作が,お二人のコラボレーションによるものだったことも大きな要因かもしれません。
出口近くにおいてあった本をめくると
「仇みたいな関係ですよ」という位里さんの言葉。
お二人とも,それぞれに十分お一人で画家として立つだけのものを持ちながら,
日本画の位里さんと,油絵の俊さんが共に描く。
「どんな風にお二人で描いてらしたんですか?」
と美術館の方に聞いてみましたが,
「実は,制作の場面をはっきりと記録したものもなければ,その様子を見た人もいないんですよ」
とのこと。
勝手に想像して浮かぶのは,切磋琢磨の真剣勝負の図(-_☆)。
帰りに,お二人の人物デッサン集を購入しました。
確かなデッサン力に裏打ちされ,原爆の絵とは違う伸びやかな線の
いい感じに力の抜けた表情豊かな裸婦十数点。
同じモデルさんを描いたとわかるものがあり,ページを折って二つを比べてみると
それぞれに違う個性を感じるのですが,響き合っています。
強烈な個性でぶつかりながらも,実は仲のよいご夫婦だったのでは…?と
こちらも勝手に,婦唱夫随の図。
(奥様>ダンナ様の力関係だったようなので(^_^;))
。
埼玉県の東松山にあるこの美術館は,
画家である丸木ご夫妻が私財をはたいて,40年近く前に建てられたものだそうです。
丸木位里さん,俊さんといえば原爆の絵で有名ですが,
イデオロギー的なメッセージが前面に出過ぎているアートが好きでない私は,
その種の絵を進んで観に行く事はありません。
今回は,この美術館の企画展に行こうという同僚の誘いにのり,現物を拝見するのは初めて。
階段を昇って,正面の展示室は,絵本の原画が中心の小さな部屋。
私が思っていたような「反戦!平和!」を声高に叫ぶような作品ではなく,
色も構図も非常に美しく,完成されていて,幻想的なイメージがよい感じ…(*⌒∇⌒*)。
好きな絵本作家イワン・ガンチェフにも通じるものがあり,
偏見は見事に砕かれました。
隣の大きな部屋に移ると,お二人の代表作である巨大な原爆の絵が並びます。
…
離れて全体を観て,近づいて詳細な部分を観る。
これを何度も繰り返しながら
ただ,黙ってそれぞれの絵と対峙する…。
こうしているうちに,
ほんとうの表現って何か,それはどうやって表されるのか
という個展後に抱えていた漠然とした問いに,少しだけ答えを得たような気がしました。
私がメッセージ性の強すぎる絵が好きでないのは,
薄っぺらい「作り物」感があって,無理に人を動かそうとする意図ばかりが目につくからですが,
しっかりと,表現者の底に刻まれ,
どうしようもなく,
表現せざるを得ないものとして現れてきた作品は,
深く人を動かし,静かにそれを伝えることができる。
これがその答え。
また,丸木位里さん,俊さんの作品が高い芸術性を放つのは,
制作が,お二人のコラボレーションによるものだったことも大きな要因かもしれません。
出口近くにおいてあった本をめくると
「仇みたいな関係ですよ」という位里さんの言葉。
お二人とも,それぞれに十分お一人で画家として立つだけのものを持ちながら,
日本画の位里さんと,油絵の俊さんが共に描く。
「どんな風にお二人で描いてらしたんですか?」
と美術館の方に聞いてみましたが,
「実は,制作の場面をはっきりと記録したものもなければ,その様子を見た人もいないんですよ」
とのこと。
勝手に想像して浮かぶのは,切磋琢磨の真剣勝負の図(-_☆)。
帰りに,お二人の人物デッサン集を購入しました。
確かなデッサン力に裏打ちされ,原爆の絵とは違う伸びやかな線の
いい感じに力の抜けた表情豊かな裸婦十数点。
同じモデルさんを描いたとわかるものがあり,ページを折って二つを比べてみると
それぞれに違う個性を感じるのですが,響き合っています。
強烈な個性でぶつかりながらも,実は仲のよいご夫婦だったのでは…?と
こちらも勝手に,婦唱夫随の図。
(奥様>ダンナ様の力関係だったようなので(^_^;))
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