読書感想文 | 湧flow

読書感想文

さて、夏休みの定番読書感想文です(^^;)。

9月末に出版女性集会で斎藤美奈子さん(文芸評論家)の講演を聴くことになったため著書を読み始め、その関連で計5冊の本(ともにジェンダー(社会的文化的につくられた性差)がテーマ)を読みました。
・斎藤美奈子…「冠婚葬祭のひみつ」「戦下のレシピ」「男女という制度」ともに岩波書店
・瀬地山角…「お笑いジェンダー論」勁草書房 *東大助教授、専門ジェンダー論

・若桑みどり…「お姫様とジェンダー」筑摩書房 *千葉大名誉教授、川村学園女子大教授、専門西洋美術史だけど最近ジェンダー関係の活動多し
上記お二人は世代が同じ、卒論で「女流画家列伝」を参考にさせていただいた若桑さんは年齢的には大先輩。ともに立場も視点も異なる内容で面白かったです。

一番共感できたのは、やはり斎藤さんの本。「おっ、そうきましたか」という独自の視点と軽妙な文章で、自然と気づきを促す「うまいねぇ!」と膝を打ちたくなる本ばかりです。真っ向から主張を掲げたりしてないところも好感がもてます。
また、「冠婚葬祭のひみつ」「戦下のレシピ」は、ジェンダーという視点とは別に、一般人が持つ歴史的な資料としても役に立つと思いました。
「男女という制度」は斎藤さんが編集し、他9名の方の文章で構成されているのですが、ここでは佐々木由香さん(男性)の文章が強烈に印象に残りました。佐々木さんはネカマ(ネット上で女性になりすます男性)になることを通して、ご自分の男性性を認識されたそうです。ネットで男性をおちょくる愉快犯といったところだと思いますが、「なるほどっ。勉強になりますm(..)m」というのが率直な感想。

瀬地山さんは、学者さんだけあって主張が明確でわかりやすかったです。男性的な視点なのでしょうか「そうかここにこだわるのね」という部分があり、興味深かったです。

若桑さんは、気持ちはとても共感できる部分はありました。が、まだ実践的にジェンダーによるなんらかの不都合や違和感を感じてない学生さんを丸腰にして、新たな武器(?)も与えずに社会に出すことになるのではないかと心配です。
川村学園女子大の学生さんたち大丈夫でしょうか?卒業後の追跡調査してあげてくださいm(..)m。


さて、読み終わってみて、改めて思うのは、結局結論は自分で出すしかないんですよね、というもの。あたりまえだけど。
私の描かなかった20年は、恋愛とか結婚とか、仕事とか様々な場面で自分の中のジェンダーとどうつきあって行って良いのかわからず、振り回されてくたびれてました。描かなかったのは、それがすべての理由ではないけど、大きな理由の一つではあると思います。
描き始めた今は、「女性とか男性とかいう以前の、より深い部分の『自分』」とコンタクトをとりつつ生きていきたいなと思っていますかお