DigitalはAnalogをめざす | 湧flow

DigitalはAnalogをめざす

デジタル(Digital)とは、直訳すると「計数」で、要は何かの量を数えること。数を指で数えたことから「指」という意味もあるようです。
コンピュータで扱う情報は、見た目が文字だろうが画像だろうが全て「0」か「1」のデジタルデータとして判断し処理されます。一つの「0」か「1」かの判断ができることを1本の道(ビット)に例えると、8本の道はまとめて1バイト。最近ではディスクの容量が1GB(ギガバイト)なんて当たり前ですが、要は1ギガ(1 000 000 000、十億だって!)×8本の道で、一斉に情報(データ)が走っていくイメージ。うぅ、何か気が遠くなりそう…。
この道の数の情報を超えてしまうと、オーバーフローとなり、情報が処理できなくなります。要は用意された道以上のデータは走れないよんということ。
たくさんたくさん一度にデジタルデータを処理すると、複雑な計算ができるようになり、より高い機能を持つようになります。ちょっと前(って私にとってはだけど(^^;))まで、へぇ、32ビットパソコンがでたのぉ?とか言ってた頃に比べると、大変な変化です。
一方、デジタルに対する言葉としてアナログ(Analog)は連続した量で、要は細切れになっていないスムーズな量の変化。私たちが発する声や、自然界で目に入るものの量はこれです。
以前ブログにも書いたのですが、デジタルもどんどん細かくなる(というか一度に処理する情報量が増える)と、かぎりなくアナログに近づいていくと思います。
コンピュータの世界も、以前はやることなすこと「いかにもコンピュータ的」だったものが、そんなことを感じさせないくらいに「自然」というか「アナログ的」になってきました。
結局、デジタルの世界はアナログを指向しているということですかね。

絵を描かなかった20年近くの間、パソコンが一般化され、ネットワークが出現し、インターネットが多くの人に欠かせない存在になるのを見ながら、私自身もパソコンで絵を描き、デザイン・レイアウトし、ネットでコミュニケーションを楽しみ、その恩恵を受けてきました。
私の学生時代は、まだ情報処理の授業で学ぶのはFORTRANで(ちっともわからなかったけど)、社会に出て、仕事をし始めた頃は、情報機器はコピー機くらいで、ようやくワープロ専用機がちょろちょろ使われ出した頃。
パソコンで文字を入力し、幾何的な図形をコンピュータで描いて保存し、それが再利用できることに「そうなのよ!今まであんなに苦労してやってたことが、こんなに合理的にやれるなんて!!!今まで何やってたんだろ!」と感動したものです。
デジタルの良いところは、決められた範囲の入力をすると、きちんとお約束通りの出力をしてくれて、またデータを再利用することにより、同じ事を一から繰り返さなくてすむことです。「効率」をめざすお仕事にはまさに救世主。あの頃は、デジタルが目新しくとても魅力的でした…。


いつのまにかデジタルの世界にどっぷり使って、それが「あたりまえ」になってきたので、どこから見ても「アナログ」でしかない手法で、「絵を描きたい」と思ったのかもしれません。
「あたりまえ」からの脱却ってところでしょうか…サーフィン