画材(紙)2 | 湧flow

画材(紙)2

昨日に引き続き、紙の話題。

紙の厚さは重さで表します。これは、水彩紙に限らず、印刷用の紙も同じ。
これまで私が水彩用に使用していたのは、アルシュ粗目の185gという厚さの紙です。
一般にスケッチブックを使わずに水彩を描くときは、制作中に紙をできるだけ平らにしておくため、水張り(木製パネルに紙を湿らせて貼り付けて四方を押さえ、乾いたら紙がピンと貼った状態になる)という作業をして描くことが多いのですが、あえて水張りせず、紙が波打つままにして、にじみの面白さを生かす方法をとってきました。

三度目の個展に向けて、少し大きな水彩の作品をつくりたくて、紙の厚さを一段階厚いものに変えてみました。185gの波打ち方では、大きな面積を扱いきれないのではないかと思ったからです。
今は、300gの厚さの紙の特徴をつかむため、小さめの紙で描き心地を試しているところ。紙の質は同じのはずなのに、水の含み方、にじみ方、波打ち方が思った以上に違います。
185gの方は、紙の中を水と絵の具が流れていく感じでしたが、300gは流れが遅く、どちらかというと水を保持する感じがします。紙が重い分、どっしりとしてあまり波打たないので、にじみも水張りした時のように均一に近いグラデーションになります。
実際に、大きなものを描くと、また違った性質が見えてくるのかもしれません。

題材によって、紙を選び、それぞれの質を生かして使い分けていければいいなと思っていますヒツジ