「暗やみの色」 | 湧flow

「暗やみの色」

日本科学未来館の人気展示に、ドームシアターガイアがあります。
現在ガイヤで上映されているプログラムの一つが、数百万個もの星を再現したMEGASTAR-II cosmosというプラネタリウムに、谷川俊太郎さん書き下ろしの詩の朗読をあわせた「暗やみの色」。
吸い込まれそうな宇宙空間に、時々意識が遠のきそうになりながら「暗やみの色」を見終わった後、このプログラムの制作に携わった科学未来館のスタッフの方のお話を聞く機会を得ました。
「『20億光年の孤独』(谷川さん21歳のデビュー作)を書いた時点では、宇宙の果ては20億光年とされており、宇宙と自分との関係に『孤独』という言葉を用いた。それから50年たち、宇宙の果ては137億光年とされる今、その宇宙との関係に『孤独』という言葉はもう用いない」
詩を依頼した際に、谷川さんがこのような内容のお話をされたそうです。
詩のタイトルは「闇は光の母」。
21歳の時に20億光年先の宇宙の果てとの間に「孤独」を感じ、50年の時を経て117億光年分宇宙の大きさが拡がった今、孤独が増すのではなく、そこに光を生み出す「愛」のようなものを感じる…。
世界観なり、宇宙観なり、自分をとりまくものが拡がったら、孤独や不安が消えて、別のものが観えてくる。
そうか、そういうことかと勝手に納得して、何だかほっ…としましたキラキラ