基本的に、会社が人間ドックや健康診断にかけた費用は福利厚生費で処理できます。ただし、福利厚生費とするためには、以下の要件を満たしておく必要があります。

■特定の者だけを対象としたものでないこと。
役員や特定の地位にある者だけを対象としてその費用を負担するような場合には、給与(役員給与)とみなされます。ただし、年齢(30歳以上など)を条件にすることは認められています。それは、年をとれば従業員すべてが受けられる平等な権利だからです。
■検診料や検診内容が通常必要であると認められる範囲内のものであること
■検診料の支払が会社から医療機関に直接行われること

 また、役員だけを対象にした人間ドックが役員給与とみなされるのは前述の通りですが、この役員給与は会社の必要経費とは認められません。というのも、この役員給与(経済的利益)は一時的な給与であり、支払時期と支払金額があらかじめ定まっていることが要件の「損金算入できる役員給与」にはあたらないからです。ついでに言うと、人間ドックの費用は医療費控除も受けられません。税務上、役員だけが受けられる人間ドックに良いことは何一つないのです。
せっかく高い金を出して導入した設備なのに、その設備で生産していた商品が売れなくなった、商品の仕様が変わって使えなくなった、増産や効率アップのためにさらに効率の良い設備に買い替えたなどの理由により、耐用期間満了前に使わなくなる場合があります。

 通常、そのような設備は売却するか、廃棄や解体などの処分をしてしまうケースが多いのですが、「また使えるかも」「廃棄や解体代がもったいない」「記念にとっておきたい」などの理由で、工場やオフィスの片隅でホコリを被っていることも良くあります。

 こうした設備は、会社にとってはムダな資産です。減価償却資産には地方税の固定資産税が課税されますし、資産の額が増えることで融資を受ける際などに不利になる財務指標もあります。「高額で売れる見込みがある」とか「利用再開の可能性が高い」等の理由が無ければ、思い切って処分を検討するのも手です。処分してしまえば、前述のデメリットは無くなりますし、その資産の未償却残高は全額経費にできます(除却といいます)。

 しかし、「廃棄や解体代がもったいない」「記念にとっておきたい」などの理由で、現実的に処分(廃棄、解体など)をするのが難しいケースもあります。そのような場合には「有姿除却」という方法があります。

 有姿除却とは、「今後、使用する可能性がない」減価償却資産について、廃棄、解体などを行っていない場合であっても除却ができる税制上の制度です。ただ、その減価償却資産を「今後、使用する可能性がない」とするための要件は通達で決められており、その要件を満たしていることを証明するのが少々面倒な場合もあります。有姿除却をする時は早めに判断した方がスムーズに処理できるのです。