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この回も何故、ビデオ化しなかったのであろうか。不思議である。
この他にも、古内のお気に入りの回に553話「ドックとマミー」がある。
マミー(長谷直美)転勤したジプシーの後任として殉職した夫ロッキーの意志をついで刑事になった令子。とともに聞き込みをしていたドックは迷子の幼児ちえみを保護する。だが少女の父親は5百万騙しとられた結婚サギの女を追って逆に殺されていた。何も知らないちえみの為にドックは犯人を追う。犯人は結婚サギ師の女の愛人だった。
事件を解決したドックは、なついてくるちえみが可愛くてたまらず、引き取ると宣言。だが。マミーに「子供はペットじゃない」と言われて思いなおす。ラストシーンで懸命にちえみに嫌われようとするドックに涙を誘われた。
「あれは5本の指に入るくらい大好きな作品ですね。最初の原題は「赤ずきんちゃん」だったけどマミーのキャラクターが出来上がる時期だったんでこうなりました。
小川英さんと一緒に見たんだけど、小川さん、オンエアで泣いてましたね。滅多に泣かない人だからびっくりしました。神田は長谷直美のことを妹のように思っているから兄妹みたいな話になりました。あの話でドックロリコン説がでたんだよね。」(古内談)
古内は語る。後に古内は神田の希望によりアクション編603話「陽炎の街」ドックが犯人の少年を射殺するシリアス編614話「17歳」。電車マニアのゆがんだ犯人と対決させる625話「4色の電車」
研究熱心な医師たちの人体密売組織に命賭けで挑戦する633話「ホスピタル」などを書く。他に水上スキーを披露する507話「ドックと天使」スキューバダイビングの574話「冒険の海」
金庫破りのハコ師に弟子入りする541話「からくり」580話「名人」などに出演する。
この頃には初期のドックに比べてかなりハードな話も多く、531話「マグナム44」621話「決闘」683話「獲物は狩人を誘う」など、マカロニ、ジーパン時代を思わせる大アクション編も見られる。
また、648話「検視官ドック」では、検視の神様と言われる、ベテラン検視官の検視ミスを見事に指摘する。この頃になると、ヤブといわれていた頃の面影はなく、キレ味鋭いベテラン刑事となっていく。
ゴリさん殉職後、そのポジションについたドックは新人教育係となり、時には若手を殴ることも出てきた。仲間たちの次々の殉職により、人間的にも成長していったのである。
後期はスーツ姿にイメージチェンジして、派手な服はあまり着なくなる。
ドックは一貫して髪型は真中分けでつらぬいていたが、終期になると、7・3分けなど変えていくこともあった。あと、当初は医大出ということもあって黒ぶち眼鏡をかけていたが、後期はサングラスをかけることが多くなる。
670話「ドック潜入!泥棒株式会社」では久々に入門シリーズが復活して、ハコ師の師匠が再登場。久々に黒ぶち眼鏡のドックスタイルが見れ、加えて、初期のBGMドック刑事のテーマⅠ,Ⅱが聞けて大変嬉しかったのを覚えている。
「殿下もゴリさんも逝き長さんも去って、否応なく、兄貴分に押し上げられた形のドックだが、そのキャラクターだけは決して失うことなく成長して欲しいと我々も願っている。
冗談大好き人間の大ベテラン刑事。……やがて完成されるであろう。その姿が今から楽しみである」
これは、故小川英が写真集に書いたメッセージだが、これは小川氏だけでなく、視聴者全ての願いではないだろうか。
個人的に館ひろしがボスの『太陽にほえろ!』にも検視鋭い署内一のベテランとして、登場して欲しかった筆者である。
ドックは私にとって人生の友ともいうべき存在なのである。