『新完全マスター読解日本語能力試験N2』

著者:田代ひとみ・中村則子・初鹿野阿れ・清水知子・福岡理恵子

出版社:スリーエーネットワーク

出版日:2011年8月23日

 

日本語能力試験N2レベルの読解練習として、

この本をお勧めします。

 

 

ただし、N3のテストで140ぐらい取れている学習者だと

スムーズに入れるかなと思います。

ただし、N3に合格したけれど、その読解の点数が20点台だったら

N3の読解問題をもう一度復習した上で、

完全マスターのN2を始めたほうがいいと思います。

 

ちなみに日本語能力試験の合格点というのを簡単に説明すると

N3の場合

総合得点 得点の範囲は0〜180

合格点は95

 

分野が3つに分かれていまして、

言語知識(文字・語彙・文法)得点の範囲0〜60

              基準点19

読解            得点の範囲0〜60

              基準点19

聴解            得点の範囲0〜60

              基準点19

 

N3レベルだと、日本に住んでいたり

日本人の友達が多いと、聴解で高得点取って、

読解が20点ギリギリで合格している学習者もいます。

 

こういう学習者がN2の勉強をしたいと言った場合、

やっぱりN3の読解から復習したほうがいいです。

下手したら、N4からかも・・・。

 

では、この本のお勧めポイント

1問題の特徴を捉えることができる

 

例えば、文章が何かと何かと比べている文章であるとか

指示語を問う問題とか筆者に主張を把握する問題など

項目ごとに練習問題があります。

 

なので、解き方が身につきます。

 

2問題の解き方の解説に、

 キーワードとなる言葉、表現が説明されている

 

 それを知ると文章を理解しやすくなる

 

3問題数が多い

 

 たくさん練習できます。

 

ということで、N3に合格した学習者で、

読解点数が35〜40取れている、

語彙も35以上取れている場合は

この本を勧めています。

『みんなの日本語 Ⅰ、Ⅱ』

監修:鶴尾能子 石沢弘子

出版社:スリーエーネットワーク

出版日:1998年6月25日

 

ついに大御所を紹介したいと思います。

 

この本は多分日本語学校で一番使われている本だと思います。

私が使ったのは第1版と第2版です。

 

確か第1版にはファクスと言う言葉があったと思います。

そして、第2版でケータイと言う言葉が出てきた時

あ〜時代が変化しているなあと感じたものでした。

 

日本語の教科書から時代の変化を感じるって

面白くないですか。

第1版も取っておけばよかった。

 

2026年には『みんなの日本語1』の第3版が出版され、

近くの本屋さんでも見ました。

 

 

さて、この本は積み上げ学習を目的とする日本語学校や

アジアの日本語学校、アジアの大学などで使われていると思います。

コロナ以降はよくわかりませんが。

 

どんな本にも長所、短所があります。

でも、この本は総合評価として

やっぱり日本語の知識を積み上げていくにはいい本だと思います。

 

長所をあげてみますね。

1、課の構成がいい

 

『文型』という項目でメインの新しい文型を知ることができる。

『例文』その文型を使った1ターンのミニ会話の例があり

 練習できる。

『会話』場面でその文型を使った会話を練習できる。

 実際に私が教えた文科省認定の日本語学校4校では、

 この『会話』は文型練習が終わった後に練習していました。

『練習A』その文型の形、動詞の何形を使うのか。て形、た形など

 どんな種類の言葉を使うのか、自動詞か他動詞か、

 変化を表す動詞かなどを知ることができる

『練習B』文型のドリル練習

単調だけど、文型に慣れることができる

『練習C』文型の2ターンの会話練習

 第2版には場面のイラストがあるのでイメージしやすい、かな。

 時々、教える側も想像が難しい場面もある。

『問題』

・文型を使った文の聞き取り問題

・新しく出てきた動詞や形容詞などのフォームの問題

・穴埋め問題

・短い読解の問題

 

この本をしっかり練習すれば、簡単な日本語会話はできると思います。

 

この『みんなの日本語1、2』を完全に理解できたら、

日本語能力試験のN4レベルぐらいだと思います。

 

2、副教材がたくさん出版されている

 

昔は文型導入など自分でイラストを描いていました。

でも、日本語学校で教える教師の苦労を知ってか

出版社が導入に使えるイラスト集を出版してくれました。

 

語彙の絵カードもあります。

 

さらに、この『みんなの日本語』の文法解説が

多言語に翻訳された本があります。

日本語学校では大抵学習者それぞれの母語の解説本を持っています。

ただし、その翻訳がよくわからない場合もあります。

 

そして、

聴解練習の本

読解練習の本

作文練習の本

 

読む・書く・聞く・話す、この4技能全て

練習するツールが用意されています。

 

ただし、学習者が身につくかどうかは

教師と学習者と学校のカリキュラム次第です。

 

時間をかけて、じっくり勉強できる学習者向けだと思います。

 

使う時に気をつけたほうがいい点

 

1、第1課から漢字が出てきます。もちろんふりがながついていますが、

ひらがな、カタカナも覚えていない学習者には最初から苦痛でしょう。

 

2、練習Bや練習Cにこっそり未習項目が入っているので

確認しておいたほうがいい

 

3『会話』の場面が学習者が想像しにくいものもあるので

どう運用するか、活用法を考える

 

4プライベートレッスンでこの本を使うのは難しいかも・・・

 

総合的に、

日本の大学で勉強したい、

JLPT N2に合格したい、

こういう目標がある学習者にはとてもいい本だと思います。

 

目安として、この本の最初に書かれていますが、

学習に要する時間は1課を4〜6時間、全体で150時間が目安とのこと。

つまり、『みんなの日本語1、2』を終わらせるには300時間必要です。

 

『旅の指さし会話帳JAPAN日本語』

著者:榎本年弥

発行所:株式会社情報センター出版局

出版日:2001年9月10日

 

この本はもともと日本人が海外旅行で現地の方と

イラストや語彙を指で指して、コミュニケーションをはかる

ために作られた本だったと思います。

 

それの日本語バーションです。

 

最初の方は場面ごとに簡単なフレーズと語彙が書かれています。

 

英語

日本語(ひらがなと漢字使用)

ローマ字

 

言いたいことの語彙を指で指せば

相手に伝わるという本です。

 

ローマ字表記もあるので、ひらがながわからない外国人も

なんとなく音にすることもできます。

 

場面で言うと

空港・電車に乗る・街を歩く・ホテル・挨拶

があって、簡単なやり取りができるようになっています。

 

その後に分野ごとに語彙が絵や写真と共に一覧表になっています。

日本食・野菜・お菓子などなど

 

私が教える時に使うのはこの語彙のページです。

 

ケース1:旅行で使う日本語、日本にあるものを知りたい

 

たいてい外食したり、コンビニで買って食べているので

この一覧表を見ながら、

これ食べた、美味しかったなど会話をすることができます。

表現も「食べたい」「好き」などが表示されているので

絵や写真を見ながら、簡単な会話ができます。

 

寿司 食べたい

ラーメン 好き

 

文としては正しくないけど、コミュニケーションできます。

 

ケース2:初級文法を勉強している学習者

 

〜が好きです。〜が嫌いです。

〜を食べました。〜を食べたいです。

 

この文型に、絵や写真を見ながらその語彙をあてはめたら

文ができ、簡単な会話が成立します。

 

この本は日本語ボランティアクラスで教える時に使うのもいいですね。

日本で生活している学習者なら、なおのこと生活用品の語彙を知るのは

必要ですからね。

 

英語がわかる、全く日本語を勉強したことがない、

ひらがなも知らない学習者に紹介して、

一番喜ばれた一冊です。

 

日本語教師が一冊持っていると、便利だと思います。

 

 

『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』

監修:松岡弘

著者:庵功雄・高梨信乃・中西久美子・山田敏弘

出版社:スリーエーネットワーク

出版日:2000年5月23日

 

この本は私が大好きで、何度も何度も読み返した本です。

下線も引いて、メモもたくさん書いています。

初級で教える文法項目の解説が詳しく書かれています。

 

初級を教える時に知っておくと便利な内容がてんこ盛り。

そして、読めば読むほど、

 

なるほど〜!この文法はこれと、こういう違いがあるのか!

 

く〜っ!ひらがな一文字の助詞にこんな違いがあるのか!!

 

この解説を読んでいると、日本人の思考なんかも見えてきて

私は好きなんですよ。

 

私が日本語教師の資格を取ったのは2002年で

ヒューマンアカデミー日本語教師養成講座420時間コース

を受講しました。

 

そこで強制的に買わされた本だったと思います。

あの頃は全く読む気がしなかったんですが、

学習者の疑問に答えるために、何度も何度も読んでいたら

読むたびに理解が深まり、関連性が見えてくるんですよ。

理解できた時の喜びは爽快感です!

 

日本語を教えたい方、

日本語について知りたい方におすすめです。

 

学習者は大抵同じところを疑問に思うので

一度私が理解したものを、別の学習者に質問された時は

キター!!!

それはね・・・・

とニヤニヤしながら説明したものです。

 

文法解説は最初は難しかったけど、

学習者からの質問を諦めずにいろいろ調べたり、

教えたりしていく中で

どんどん面白くなっていきました。

 

『新完全マスター文法 日本語能力試験N2』

著者:友松悦子、福島佐知、中村かおり

出版社:スリーエーネットワーク

出版日:2011年7月20日

 

この本は日本語能力試験(JLPT)を受験する学習者に

おすすめしています。

 

日本語能力試験とは日本語を母語をしない人の

日本語能力を測る試験です。

基本的には1年に2回、7月と12月の第一日曜日に行われています。

 

日本語を母語としない人で、

日本の大学で勉強したい、日本の会社に就職したい場合

求められるのがこのN2レベルです。

就職に関しては、最近はN1の場合も多いです。

 

いろんな文法を勉強する本があるんですが、

やっぱり私はこの本が好きです。

 

この本の特徴はなんと言っても

機能別に課でまとめられている点です。

 

中上級レベルになると、似た表現なんだけど

日本人が使い分けている文法ってあるんですよ。

その使い分けポイントをまとめてあります。

 

そして、その使い分けポイントに沿った問題があるんです。

実際のJLPTの問題と同じように、4つの選択肢があります。

その間違いの3つの選択肢が、使い分けポイントとして

選んではいけないものが書かれているんです。

なので、どうして、この選択肢が間違いなのかそれを

問題を解くことで確認することができます。

 

これを繰り返していくことで、

その文法、機能語が持つニュアンスを感じていくことができると

私は思います。

 

一つの課を例に挙げると

18課は「〜できない・困難だ・〜できる」

この意味を持つ似た文法項目があります。

1〜がたい

2〜わけにはいかない、〜わけにもいかない

3〜かねる

4〜ようがない

5〜どころではない

6〜得る/〜得ない

 

この使い分けを勉強します。

教える側もしっかり違いを理解していないと

学習者の質問に答えられないんですが、

私は、これが楽しかった。

 

この違いを私が理解するためにも、先に記事に書きました

 

『どんな時どう使う日本語表現文型辞典』

『日本語文型辞典』

 

で確認し、自分でその学習者にとって身近な例文を作っていました。

余裕がある時は、学習者に例文を作らせたりしていました。

 

 

ただし、注意が必要です。

本の著者からすると、N2を勉強するレベルの語彙が使われているんですが、

そのレベルにない学習者は大変です。

日本語学校でそのレベルにないけど、

都合上、N2の勉強をしないといけない場合や

プライベイトレッスンでいきなりN2に合格したいという場合。

 

中国語版は見たことがありますが、

私はその他の言語の解説版を見たことがありません。

 

ですから、語彙が少ない学習者には苦痛の本になるでしょう。

語彙の意味を理解して、文法項目を理解するのは結構大変です。

 

特にいつまでにN2に合格しないといけない!という

制限がない場合は、ゆっくりやっていけば大丈夫でしょう。