『みんなの日本語 Ⅰ、Ⅱ』
監修:鶴尾能子 石沢弘子
出版社:スリーエーネットワーク
出版日:1998年6月25日
ついに大御所を紹介したいと思います。
この本は多分日本語学校で一番使われている本だと思います。
私が使ったのは第1版と第2版です。
確か第1版にはファクスと言う言葉があったと思います。
そして、第2版でケータイと言う言葉が出てきた時
あ〜時代が変化しているなあと感じたものでした。
日本語の教科書から時代の変化を感じるって
面白くないですか。
第1版も取っておけばよかった。
2026年には『みんなの日本語1』の第3版が出版され、
近くの本屋さんでも見ました。
さて、この本は積み上げ学習を目的とする日本語学校や
アジアの日本語学校、アジアの大学などで使われていると思います。
コロナ以降はよくわかりませんが。
どんな本にも長所、短所があります。
でも、この本は総合評価として
やっぱり日本語の知識を積み上げていくにはいい本だと思います。
長所をあげてみますね。
1、課の構成がいい
『文型』という項目でメインの新しい文型を知ることができる。
↓
『例文』その文型を使った1ターンのミニ会話の例があり
練習できる。
↓
『会話』場面でその文型を使った会話を練習できる。
実際に私が教えた文科省認定の日本語学校4校では、
この『会話』は文型練習が終わった後に練習していました。
↓
『練習A』その文型の形、動詞の何形を使うのか。て形、た形など
どんな種類の言葉を使うのか、自動詞か他動詞か、
変化を表す動詞かなどを知ることができる
↓
『練習B』文型のドリル練習
単調だけど、文型に慣れることができる
↓
『練習C』文型の2ターンの会話練習
第2版には場面のイラストがあるのでイメージしやすい、かな。
時々、教える側も想像が難しい場面もある。
↓
『問題』
・文型を使った文の聞き取り問題
・新しく出てきた動詞や形容詞などのフォームの問題
・穴埋め問題
・短い読解の問題
この本をしっかり練習すれば、簡単な日本語会話はできると思います。
この『みんなの日本語1、2』を完全に理解できたら、
日本語能力試験のN4レベルぐらいだと思います。
2、副教材がたくさん出版されている
昔は文型導入など自分でイラストを描いていました。
でも、日本語学校で教える教師の苦労を知ってか
出版社が導入に使えるイラスト集を出版してくれました。
語彙の絵カードもあります。
さらに、この『みんなの日本語』の文法解説が
多言語に翻訳された本があります。
日本語学校では大抵学習者それぞれの母語の解説本を持っています。
ただし、その翻訳がよくわからない場合もあります。
そして、
聴解練習の本
読解練習の本
作文練習の本
読む・書く・聞く・話す、この4技能全て
練習するツールが用意されています。
ただし、学習者が身につくかどうかは
教師と学習者と学校のカリキュラム次第です。
時間をかけて、じっくり勉強できる学習者向けだと思います。
使う時に気をつけたほうがいい点
1、第1課から漢字が出てきます。もちろんふりがながついていますが、
ひらがな、カタカナも覚えていない学習者には最初から苦痛でしょう。
2、練習Bや練習Cにこっそり未習項目が入っているので
確認しておいたほうがいい
3『会話』の場面が学習者が想像しにくいものもあるので
どう運用するか、活用法を考える
4プライベートレッスンでこの本を使うのは難しいかも・・・
総合的に、
日本の大学で勉強したい、
JLPT N2に合格したい、
こういう目標がある学習者にはとてもいい本だと思います。
目安として、この本の最初に書かれていますが、
学習に要する時間は1課を4〜6時間、全体で150時間が目安とのこと。
つまり、『みんなの日本語1、2』を終わらせるには300時間必要です。