こちらあいにのオメガバースです
ご注意ください
キラキラ輝くステージで、軽く踊りながらみんなのうちわに目を止める。
俺の体調を心配するものがあって、打ち明ける時が来たんだってドキドキする。
どんどん曲が終わるけど、ダンスナンバーが減ってたり俺のダンスパートが少なくて、会場内は変な空気に。
MCになって、急に気持ち悪くなっちゃってトイレに駆け込むと、まーくんも着いてきてくれてて、それだけで安心。
こっそりメンバーにも伝えると、悪阻かなって。後半は、笑顔を頑張って歌もダンスも頑張って、楽になったらファンの子に手を振ったりして。
必死になった。
アンコール前最後の曲を歌って、挨拶に入る。段取り通りに、大野さんから切り出して、まーくんがマイクに電源を入れる。
「えーっと、……。」
何を話すんだろうって、会場全体がまーくんに注目して、一言目を発した途端ザワっとどよめいた。
「俺は、αです。」
そのどよめきが収まるまで待って、普段からは考えられないギャップで饒舌に話し出す。そんなまーくんを見つめて、俺もマイクの電源をonにした。
「……俺は、Ωの二宮と、カズと番です。」
今まで芸能会で公表した人は少ない。更には妊娠、だなんて。そんなことを今から俺はしようとしているんだ。
「そして、俺は今…………妊娠、中です。」
その瞬間会場中に響く歓声と、みんなが叫んでくれるお祝いの言葉。
やっぱ俺らのファンで、批判的な人は少ない。それだけで嬉しくて、まーくんと、メンバーと、顔を見合わせてわらった。