こちら、あいにの妄想話です
ご注意ください
Nside
朝ごはんを食べ終えると、もう俺は出勤の時間。まーくんはあと1時間あるから、も少しのんびりするらしい。
「行ってきます」
玄関までわざわざ、行ってらっしゃいって言いに来てくれて、恥ずかしいけど頬にちゅっとしてから、家を出た。
家の中でまーくんが騒いでたから、余計恥ずかしくって、火照る顔をパタパタ手で仰ぎながら、満員電車に飛び乗った。
ガタンゴトン
いつもは、早く降りたくってひたすらこの密室に耐えるだけ........
なんだけど。
今日は違う。まーくんとの朝のことを思い出すだけで、顔が緩むのがわかる。
それにしても........
周りを見渡すと、スーツを着たサラリーマンや、単語帳を必死にめくる学生たち。
俺も、まーくんとおんなじ時間に出勤したいな、なんて叶わない願い。
少し息を吐いて、電車をおり改札をくぐり抜けて、会社に入る。
「.....おはようございます」
少し前を歩く猫背の部長を見つけたから、挨拶をする。
金曜日の一件があったから、少し気まずい空気を払拭しきれない。
恐る恐る声をかけたのに、返ってきたのは『おぅ、おはよ。』と、軽い言葉。
あれ?俺の気にしすぎなのかな。
意外な空気に、逆に戸惑ってしまった。