朝起きたら、考えられないぐらい家の回りは雪で埋もれていた。
「どうしよう…。」
とりあえず、穂香に用足しだけはさせようと、外に出したら、雪は穂香の背丈ほどもあって、うまく歩けない。
雪の中に小だけはさせて、穂香は一旦家に入れて、まず雪かきをした。
家の周りの歩道の雪かきが一段落したころ、ジャミちゃんとりんちゃんが車道をお散歩しているのを見かけ、穂香も家から連れてきた。
「りんちゃん、おはよう。すごい雪だね。」
りんちゃんは、おかあさんとおにいちゃんとお散歩。
「2丁目公園に行ってみたけど、雪がすごくて、どこがどこだか全然わからないから帰ってきたのよ。」とのこと。
うーん。3丁目公園までは、到底無理ね。今日は、チップ君に会いに行けないな。
「ジャミ君、さようなら。気をつけてね。」
あっというまにジャミ君の姿が小さくなる。
「よし、穂香も車道が歩けるうちにおばあちゃん家に行こう。」
車道でも、穂香はからだが埋まりそうな雪のところもある。
歩道は、まだほとんど雪かきしていないので、雪がひざちかくまであり、歩けない。
あら、ふくさんの強敵、黄色い魔物が穂香の町にもやってきたよ。
通り過ぎるかと思ったら、とまっちゃったよ。
どーしたのかな?
黄色い魔物は、ゆっくり動くものらしい。
車道を歩いてなんとかおばあちゃん家に着いた。
おばあちゃん家の庭もすっぽり雪に覆われている。
玄関前の雪かきをしている間、穂香はおばあちゃんと居たのだけれど、私の姿が見えないので、ずっときゅんきゅん言っていたらしい。
穂香を置いてどこにも行かないよ。
おばあちゃん家から帰る頃には、あたりも明るくなって家々からおとうさん達が出てきて、道路の雪かきをしてくれていた。
車道も車が多くなってきていたので、みんなが雪かきしてくれた道を帰ることにした。
雪かきしているおかあさんと一緒に家の前にいた、まろちゃんにも会った。
大雪でも、どの犬も楽しそう。
まろちゃんもとっても元気。
この後、穂香は2度もおとうさんと、大雪原となった公園の広場で、雪に埋もれて遊び回った。
仙台の積雪量は、35㎝だそうだけれど、ここは山だから、もっと多く降ったと思う。