ニヒリズムの彼はこう言った。


「こんな国が創られたのは、こんな人間がいるからだ」

私を指差して、そう言った。



ノンニヒリズムの私はこう言った。


「そんな風に考えるから、貴方は貴方にナイフを刺すのでしょう?」



ニヒリズムの彼は、パッと目を見開いて、固まった。



ノンニヒリズムの私は続けてこう言った。


「そんな風に考えるから、貴方は貴方を失って、」

「そんな風に考えるから、孤独を愛し、一人を嫌う」

「そんな風に考えるから、私は貴方に惹かれていって、」



「そんな風に、貴方が泣くから・・・」



ノンニヒリズムの私はニヒリズムの貴方を抱きしめた。