今日は7月16日、薮入りです。
三代目 三遊亭 金馬の「薮入り」を聴きなおした。

昔の奉公人は年に、2回 1月16日と7月16日だけ、家に帰れる。
その1日を、子供が薮入りで帰ってくるのを、待遠しい両親、
特に男親の話を面白、可笑しく人情味いっぱいの噺はいつ聴いてもほろっとする。

三遊亭 円楽(この前亡くなった)もいいが、私は三代目 金馬の薮入りが好きだ。

奉公に出て初めて三年ぶりに帰ってくる日の朝、2時ごろから、
なぁ、おっかぁ あれを、食べさせたい これを食べさせたい
と一日では無理なんだけど、好きなものを全部食べさせたい親心
また、あそこにも連れて行きたい、此処にも連れて行きたい・・・
名古屋まで連れて行きたいなどと、これもまた息子への愛情満開です。

しかし、いざ帰ってきて、息子が湯屋に行っている間に、15円という大金が
入っている財布を見つけ、悪いことをして得たお金ではないかと、
今度は一転、厳しい親になる。

これが、本当の子にかける親の愛情です。
悪いことをしたら、戒め正しく導くのが親です。

今話題の大津の事件に出てくる加害者の親たちは、どのようにして
自分の子供に愛情をそそいで、育てたのでしょう。

その15円は「ねずみの懸賞」で当たったもので、それからオチになります。

古典落語にはいい噺がいっぱいあります。
本の世界にも、いい話がいっぱいあります。

小さいときから、いい噺をいっぱい聴き、いい話をいっぱい読み、
情操を高め、人の気持ちの判る人になれば住み易い、生き易い
社会になっていくと思います。