最近、歌わなくなった。
鼻歌さえも歌うことがない。

子供の頃は、合唱団に入っていた。
一番、上手な組に入っていた。

中学時代は、変声期で音程が取れなくなって、歌えなくなっていた。
暗黒時代だった。

高校では、学校のバス旅行では、一番後の席で、マイクの占領していた。
まだ、カラオケが無い時代で、今で言うア・カペラだった。
エコーもなく、伴奏もなく、リズムや音程は全て自分の喉のみで、実力以上のものは出ない。

働き出したころも、そうだった。
会社の飲み会でも、そうだった。
その頃、先輩たちの歌は軍歌が多かった。
ちょっと、ついていけなかった。

そのうち、2次会以降のスナックやスタンドにカラオケがボチボチ入りだした。
8トラックのテープによる、カラオケでよく歌った。
私は「西郷輝彦」の歌が好きで、
「星のフラメンコ」が18番だった。「星娘」「君だけを」「願い星、叶い星」
もよく歌った。
この4曲しかなかったこともある。

そのうち、レーザカラオケ、通信カラオケと段々進化していった。

そして、カラオケ専門店で、飲み会の後ばかりではなく、昼間家族や
友人たちと、アルコール無しでも皆歌うようになった。

私はといえば、会社の中も個人主義が浸透したこと、不況で飲みに行かなくなったこと
等でカラオケで歌うことも無くなり、脊髄小脳変性症の進行で、うまく音が取れなくなった
ことで、鼻歌さえ口ずさまなくなった。

「歌の上手な人は、運動神経も良い」も、あながち合っているかな。
この病気は、小脳が破壊され、運動神経が損なわれていきますが、
立派な声帯を持っていても、それを制御する神経と繋がらなくなると、
うまく歌えなくなるのだと思う。

損なわれてきた運動能力のリハビリで 
歩行、スクワット、バーベル、ボール廻し(過去ブロ)を行っているのと同じで、
歌うことも声帯のリハビリだ。

精一杯、うまく歌うことを目指してリハビリに励もう。