紀尾井町サロンホールという小さなホールで開かれた童謡コンサート。
出演者は眞理ヨシコ、たいらいさお、稲村なおこという童謡歌手の第一人者の方々です。
こだいら雨情うたまつりに出演いただいた、たいらいさおさんのお誘いで友人と出かけました。
100年前の雨情の「シャボン玉」や北原白秋の「ゆりかごのうた」など古典童謡から、まどみちおの「やぎさんゆうびん」などの今歌まで、
童謡の歴史や背景、何よりも3人の童謡を愛する心が伝わる、心が浄化されるようなコンサートでした。
5時半過ぎに終わったので、おそばでも食べて帰ろうと麹町駅近くのビル地下に降りたところ、「本日終了」の張り紙が。
そこで、向かいにある店を覗いていたら、オーナーらしき人が出てきて「今日はシェフがいませんので、限られたメニューしかできませんが、
それでよろしければ」と遠慮がちに言われました。
あっさり系が食べたかった私たちは、イタリアンらしきその店に入るのを一瞬顔を見合わせ躊躇しましたが、オーナーの感じの良さに惹かれて入ったのです。

入口ドア横の店案内
たいらさんの童謡を楽しみ、帰りに「TAIRA」という同名の店に行く。
これも何かの縁かもしれません。

天井からの照明も、モスグリーンのテーブルクロスに映えておしゃれでした。

モノクロ写真の照明も柔らかです。
オーダーしたのはトマトとモッツアレラのカプレーゼと稚鮎とズッキーニのフリット、松の実と何とか(忘れました)の少しピリッとしたピラフとグラスビール。
稚鮎のフリットとピラフが独特で、とっても美味しかった(写真を撮り忘れごめんなさい)。

「もう何年このお店をやっていらっしゃるのですか」の質問に端を発し、それから女3人よればの人生話(?)に発展しました。
「もう20年変わることなくやっているんですよ」
40歳のころご主人を亡くし、いろいろな仕事に就きながら二人の子どもさんを育てたといいます。
そして50歳で起業、このお店を一人で始めたそう。
シェフがやめたり、いろいろなことがあった。
シェフが辞めたとたん、パーティの貸し切りの予約が入った。
「どうしよう?やれない」
「やりなよ。大丈夫だよ」と背中を押してくれたのは常連さんだった。
バータイムもやっているので、自宅に帰るのは夜中になり、翌朝10時には店へという生活。
「60代が始まる頃は、店をたたんで人並みに旅行を楽しみたいと思いましたが」
どこで、今の仕事にピリオドを打つか?
でも、今は病気になるときはやめていても、店を続けていても一緒と考えると気が楽になった。
店にいる時が一番落ち着くし、自分の居場所になっている。
細い肩にこれまで重い荷物を背負って、一人で歩んでいらしたのですね。
「娘がね、どうして再婚しなかったのよと怒るんですよ」と笑うオーナー。
私は胸が熱くなりました。
偶然入った店で、初めて会った方と1時間半位話しました。
私たち3人にどこか琴線が触れ合う部分があったからでしょうか。
長く続く店はやはり、オーナーの人柄と、常連さんたちの支えですね。
また、今度会えるのを楽しみに、頑張り過ぎないで元気でいらしてください。

「今日はしみじみといい日だったね~」
友人と言い合いながら帰途につきました。
■KITCHEN&BAR TAIRA 千代田区麹町4-3富士ビルB1F TEl 03-3263-6774