迫力あるパンフレットを見てください。

          サブタイトルに「HOKUSAI UPDATED」とあるように、約70年に及ぶ北斎の画業の変遷を網羅した作品を約480件も展示。

          20歳のデビュー作から90歳の絶筆まで、北斎の絵師人生を辿る大規模展覧会です。

          私にとっては1昨年12月の国立西洋美術館「北斎とジャポニズム」以来の北斎展です。



          


          六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー、平日とはいえさすがに混んでいましたね。

          会場入口で20分待ちでしたが、3年前の「マリーアントワネット展」の時よりはましでした。

          あの時はチケット売り場、52階までのエレベーター待ち、入場待ちでトータル2時間以上かかりましたから。



          北斎研究の第一人者であり、その作品のコレクションが2000件を超えるという永田生慈さんが自らの集大成として進めていた今回の展覧会。

          しかし、丁度1年前に永田さんは逝去され、永田コレクションは島根県立美術館へ寄贈されたので、今後は島根県のみで公開とのこと。

          永田さんのことは先日の「日曜美術館」でも触れられていましたね。

          病気と闘いながら、執念のように北斎の作品と対峙なさっていた表情が印象に残っています。

          
          代表作の「富嶽三十六景」や「北斎漫画」だけではない、北斎の多彩な面を知って欲しいと願ってきた方です。

          その通りに画号によって6期に分けられた展示は、読本挿絵や「かな手本忠臣蔵」など初めて見る作品がいっぱい。

          こういうことも北斎さんは手がけていたんだと感嘆させられます。

          「北斎漫画」や「富嶽三十六景」のコーナーでは見る人の列が進まないので、せっかちな私はスルーして「島根県立美術館へ行ってゆっくり見るのだ」と

          自分に対してやけっぱちな言い訳をした次第です。


          上のパンフレット中面、初公開の「向日葵図」(右側)、最大級の肉筆画「弘法大師修法図」(左側)は近くで見られました。

          やさしげな日本的なひまわり(シンシナティ美術館所蔵)と鬼気迫る「弘法大師修法図」(西新井薬師總持寺所蔵)はどちらも最晩年の88歳の時の作品。

          
          「弘法大師修法図」は明治以後西新井薬師に埋もれたままになっていたのを、永田さんの指摘によって見つかったものだそうです。

          けれどもこの二つの作品、同じ人が描いたとは素人にはにわかに信じられない。

          
          ダイナミックで繊細、美人図もあればアニメ的な愉快なものもあり、森羅万象を自由自在に描いたように思えますが、

          北斎は人体の骨格や筋肉の付き具合を接骨の専門から熱心に学んだのですよね。。

          そして、北斎が追及した人体の日常性や人の作る形の面白さがドガをはじめ、多くの画家に影響を与えました。

          いまさらながら超天才の画業を再認識させられた展覧会でした。 少々疲れましたが・・・



          

                    
                



          チューリップが咲いて、六本木ヒルズはもう春の訪れでした。