「日本人・外国人(留学生)が地域でともに仲良く暮らすために」多文化共生時代の国際交流をテーマに、
東京TAMAタウン誌会と東京市町村自治調査会の共催によるシンポジウムが12月9日、府中市の多摩交流センターで開催されました。

<第1部1>基調講演は亜細亜大学前学長の栗田充治さん。
多文化共生とは、すでに出来上っているものではない。お互いに対話して創り上げていくもの
「共に生きる」とは「中和点、一致点、妥協点を、対話やケンカ、ことばとカラダで確かめ直す」プロセス。
本音が交流されるコミュニケーションのためには
あなたが問題を持つなら、それを話して欲しい。私は聞きたい(正確に聞く)
わたしが問題を持っている時は、それを話すので、聞いて欲しい(明確に伝える)
お互いの問題がぶつかるのなら、折り合いを付けるために、話し合いましょう
(Win-Winの関係を生み出すために知恵を絞る。その結果、お互いの良い関係を築く)
ひとも一人一人「異なる」存在・・・ミクロコスモス(小宇宙)として交わらない個的存在
しかし、コミュニケーションによって小宇宙同士の交流はできる。
「異なるもの」が対話という活動を通じて「共同性(共に生きることを目的とする)」の獲得を目指す。
渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ〜筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』(2003北海道新聞社)を例に出し、分かりやすく話してくださいました。
この実話は映画化され、大泉洋主演で12月28日に全国公開されますね。
<第2部> 事例発表「地域共生を実践する」
(1) 「地域国際交流―まほうのランプー」(国立市)
代表 新井由利子さん
グラモフ・ディルショド(一橋大学留学生会会長、ウズベキスタン)
佐々木聖弥さん(国際交流会館フロアリーダー、一橋大学)

行政に頼らない草の根活動が広がり、国立市で外国人の生活上のサポートと地域への橋渡し活動を実践している「まほうのランプ」。
一橋大学との協力・連携も活発で、ウズベキスタン留学生のグラモフさんは留学生会を立ち上げ学生交流、地域貢献を目指している。
また、国際寮である一橋大学国際交流会館の留学生たちもさまざまな地域交流を実施している。
(2) 「地域参加を通して得たもの」アブドラヒモヴァ・ディヨラさん(法政大学大学院、ウズベキスタン、小平市在住)

個人として小平市国際交流協会のイベントや女性連合の行事に積極的に参加してきたディヨラさん。
「何事にも飛び込んでみる」チャレンジ精神で、多くの地域の人々とつながった。
(3) 「ベルギーでの地域共生の体験を語る」 渡邉大雅さん、夏井陸さん(ともに一橋大)

ベルギーへ留学した二人の一橋大学生が「ベルギー人学生の日本への留学を支援しようと」とゲント市中心部で実施した日本文化イベント。
現地の学生、留学生100人を巻き込み、現地の企業や飲食店を動かし、なんと5000人規模のイベントとなった。
書道や太鼓、琴、剣道など日本の伝統文化のみならず、今の日本文化体験(わんこそば大会、流しそうめんからメイドカフェまで)、日本食販売などを開催。
価値観が互いに受け入れられずもめたこともあったが、違いを受け入れ対話でつなぎとめた。
こうして、現地学生と留学生がつながり、大使館や企業、店ともつながり、イベントのあとには企業同士のつながりもできたそう。
イベントの収益は現地のNPO団体に寄付し、ベルギー人学生の日本留学のために使われることになった。
そしてこのイベントは現地の大学とNPO団体に次回から引き継がれることになった。
二人の学生の並外れた行動力、企画力に参加の人々は感服した表情でした。
昨今の男子学生は内向きといわれますが、こんなにガッツある学生もいるのですね。
栗田先生は「こんな体験はドラマになるよ」とおっしゃっていました。
先生の多文化共生のお話を地で行く体験を聞かせてもらいました。
<第3部> 交流会
参加者と発表者がグループAからEまで5つに分かれての意見交換タイム。
若い大学生を囲んで自己紹介の後「どの発表に一番興味をもったか」「日本人・外国人が地域で仲良く暮らすために大切だと思うことは?」
について和やかに話し合いが行われました。




およそ1時間の話し合いのあと、グループ別に発表です。




最後は栗田先生の総括でした。

多文化共生には4つの共生の柱があること。
●政策における共生 ●教育における共生 ●暮らしにおける共生 ●地域社会における共生
亜細亜大の卒業生で、フィリピンの産業振興に一役買っている男性の話から、自分と違う人に関心を持つことが大切であること。
「お」の字のボランティア・・・「おんがえし」「おすそわけ」「おもいやり」「おせっかい」
ボランティアは犠牲的なものではなく、させていただいているというスタンスが重要。
参加者からは「これからの地域社会を考える、いい勉強になった」「多摩地域の人たちと交流できる素晴らしい場」などありがたい声が聞こえてきました。
交流センター所長はじめスタッフの方々の温かいご協力があり、大変成功裡に4時間にわたるシンポジウムを終えることができました。