志塾「北アメリカ先住民のことば~口承詩が伝える古代からの知恵~」10/8
嘉悦大学教授の古閑博美さんが主宰する「志塾」は年数回、北鎌倉の円覚寺で「論語」の研究と素読を開いていらっしゃいます。
以前からお誘いを受け、参加してみたいと思いながら実行できずにいたところ、前日の「老いじたく」サロンで久しぶりに古閑先生にお会いして
「明日、やりますからいらっしゃいませんか」と誘われたのがこれ幸いと、秋の北鎌倉にも心惹かれ馳せ参じたのでした。

臨済宗の大本山、円覚寺山門
この日、幼稚園の運動会が開かれていてお昼の弁当時間でした。

広い境内の一番奥にある塔頭、黄梅院が会場です。
この日は「論語」ではなく、「北アメリカ先住民のことば」のお話でした。
講師は朽名宗観さん。「鍼灸による日本的ないやしの道」を学ぶ、いやしの道協会の会長です。
池袋で治療室も開き、大学講師、研修会の指導など幅広く活躍中でまだ50代の方です。
非常に深い内容のお話で、浅学菲才の身にとってはうまくお話をまとめることはできませんが、
資料を参考に印象に残ったことを抜粋してみましょう。
北米先住民は19世紀にアメリカ合衆国によって、領土の大半が奪われ、その支配に屈するまで1万4千年以上にわたって無文字文化を継承していた。
その文字によらない口承詩のほとんどが『詩経』の詩篇と同様に、楽器の演奏や舞踏が伴う何らかの儀式の一環に位置付けられる「歌」だった。
先住民にとって詩は生活に密着した実用的なものであり、自然界に偏在する精霊(スピリット)と交流する媒体だった。
文字を持たず、音声言語のみを知る人の心と文字言語を知った人の心には違いがある。
音声言語のみの人は心で思っていることと行動が分かれていない「心身一如」の状態にあるため、心身症は起こらないという。
文字言語由来の心はカラダから遊離して抽象性が高くなり、アタマとの親和性が高くなる。
文字言語由来の心が音声言語由来の心に過度のプレッシャーをかけることが、心身症を招く原因となる。
現代社会は高度な文字言語社会であり、文字言語由来の心が優位になりがちだが、萎縮した音声言語由来の心が生き生きと発動し始め、
文字言語由来の心と交流することで、自然治癒力が働き、元気を回復し、うつ病や心身症から回復する可能性が出てくる。
キリスト教世界では人間が偉大だとされるが、北アメリカ先住民のアニミズム的世界観は自然や動物は人間が思う通りに利用したり、
操作したりする対象としてある資源ではなく、人間と同等かそれ以上のものとしてある。
複雑な社会環境やIT社会に疲れて、精神文化の世界を求める人々もいます。
今の流行りのような寺社のパワースポット巡りはどうなのでしょう。
資料に載っている、先住民の珠玉の言霊にじっくりと目を通さねば。
本当に貴重な機会をいただきました。
秋色の円覚寺と浄智寺をぶらぶら

仏殿の本尊、宝冠釈迦如来坐像

暑い日でしたが、風は秋の風、広い参道が心地よかったです。

方丈 座禅会や説教、講習会、秋の宝物風入など多目的に使われる。

風になびくシュウメイギクが可憐でした。

東慶寺近くの浄智寺惣門 緑深く野趣に富む禅寺です。


裏手にある江の島・鎌倉七福神のひとつ布袋尊像。お腹をなでなですると心身が健康になるご利益があるそう。
布袋さまは腹黒になっていらっしゃいました。

北鎌倉駅近くの堀の萩が満開でした。