国立西洋美術館の「クラーナハ展」との出合い
11月15日、平日でも上野公園は相変わらずの賑わい。
ル・コルビュジエの設計でユネスコ世界文化遺産に登録が決まった国立西洋美術館。
(余談ですがル・コルビュジエの弟子、前川國男氏の自邸は小金井の江戸東京たてもの園に移築展示されています)
そこで開催中の「クラーナハ展」に行ってきました。

日本初のクラーナハ回顧展。クラーナハのこと全然知りませんでした。
ドイツ・ルネサンスを代表する画家で、宮廷画家として数多くの肖像画を描く一方で、
あの時代に絵画工房を開設し、膨大な絵画制作を受注した事業家でもあったそうです。
500年も前に描かれた絵画や素描、版画。
クラーナハから影響を受けたピカソやマンレイ、岸田劉生の絵も展示されていました。
私の乏しい美術展経験の中でも、とても印象に残る展覧会になりました。
興味深かったのは、「女のちから」というテーマの誘惑する絵の数々です。
「不釣り合いなカップル」と題する、老いた金持ち男が若い女の指に指輪をはめる場面の絵。
英雄ヘラクレスが女たちに囲まれ、頭巾をかぶせられ、いいようにからかわれているような絵もありました。
男の滑稽さを風刺しているようですが、今も変わらぬ男と女の心情、やはり女は500年前から強かった!?
クラーナハの作品を代表する、物語の中のヒロインの裸体画は艶めいて美しく、その眼差しにゾクッとさせられます。
よく見るとどの絵の女性もごくごく薄いヴェールをまとっていますが、遠目にはわかりません。
宗教改革のマルティン・ルターと盟友でルターの肖像画を描き、その改革にも貢献したとか。
知らないことだらけの美術展で、勉強させてもらいました。
展覧会のはしご・・・「ゴッホとゴーギャン展」にも

上野公園内の東京都美術館では「ゴッホとゴーギャン展」が開催中。
この誘惑には勝てず、こちらにも自然と足が向き・・・
ゴッホとゴーギャンが南仏アルルで共同生活を送った2か月余りをテーマに、
初期から晩年までの絵が展示されていました。
二人の絵画表現の違いや特徴がわかよう、壁面に彼らが送った手紙の一文が書かれていたのが印象的。
期待にたがわぬ展覧会でしたが、観覧者がクラーナハ展の5倍くらい多くゴッホ人気を感じました。
みなさん本当に熱心に人垣をかき分け鑑賞していました。
ショップにも大勢の人でレジは行列で、絵葉書も買えずじまい。
なにかで読んだことがありますが、「日本人は驚くほど美術鑑賞が大好き国民」だとか。
大きな企画展には3時間待ちとかの行列ができますね。
先般の「若冲展」がそうでした。
私は数年前、暑い時期に国立博物館前で2時間余り待って、人だかりでその作品がよく見られなかった時、
人の多さに酔いそうな閉所恐怖を味わい、以降並んでまでは行かないようにしています。
企画展では世界トップとなるような集客数ながら、平均すると年間で国民が美術館に行く回数は
世界に比べて、ごく低いのだとか。
都心での展覧会が人気を集める一方で、地方の美術館は閑古鳥がなき、閉館の危機に瀕している所もあるのでは?
もちろん美術館側の経営努力にもよりますが、NHKの「日曜美術館」のアートシーンのコーナーでは
地方の魅力的な展覧会を紹介していて、行ってみたいと思ってしまいます。
旅行したら、その地の美術館をぜひ訪ねて、新しい出合いに巡りあいたいものです。

11月も早や半ば、上野の森の木々は秋色に染まり、建物と行きかう人々とのコントラストがいい感じでした。
「すしざんまい」のマグロで遅いランチをとり、上野駅近くの「みはし」であんみつを食べて・・・
あんみつ食べるために、お寿司は控えめに。
この2軒が上野に来た時の定番コースになりました。
「みはし」のあんみつは「梅園」より私好みです。
あんみつはあんと寒天が勝負だと思いますよ。

私が2つとも食べたわけじゃなく、ひとつは連れ合いのあんみつです
◆「クラーナハ展」国立西洋美術館 2017年1月15日まで
◆「ゴッホとゴーギャン展」東京都美術館 12月18日まで