優しくなんてない僕は人よりも透かれていました。繋がりが煩わしい僕は人よりも廃れていました。利便性重視の現代はいつでもどこでも誰とでも。そんなものに縛られて寧ろ不自由な時代。あの日の匂いのない世界でさよならだけが悲しく響く。きっと消えていくのでしょう?
ふとした瞬間におもいだすことがある。ある曲を聴けばあの頃の感覚に陥るような。色のような匂いのような。でも、もう終わった幸せは次の誰かの幸せへと天道虫が運んでゆく。そうやって幸せは巡ってゆく。人間のように傲慢でなく匂いのように全てを受け入れれば楽なのか…
毎日毎日僕らは揺られている。終点に向かってただただ列車は進んでいく。幸せを通過するたびに誰かが乗り込んで。また、幸せを通過するたびに誰かが降りていく。忙しく忙しなく目まぐるしく。それでも明日があるまで僕らは揺られて行くのだ。窓の外の記憶に手を振りながら。
がたんごとん。彼らの乗った電車の音が聴こえた気がした。僕は電車に乗り換える。一度降りた電車に関わることはまず、ない。駅のホームに響くアナウンスに耳を奪われながら次の乗り場へと向かう。顔を上げた反対側には幸せを見つけた彼らがいた。がたんごとん。人に飲まれる。
いつかどこかで幸せを共有できる人を見つけられればそれでいいと思う。いや、共有したいと想える人がいればそれでいいと思う。叶うはずもない想いを抱えながら僕らは生きていくのだ。駅と駅をツナグ、線路の周りは青い色で染まっている。それは多分終点の前の途中下車だろう。
そしていつかどこかで
終点を迎えるのだろう。
駅員に切符を催促されていた。