『mutai』第9話日当たりの悪い玄関。転がっている靴。倒れている傘。蹲る私の頭の中は真っ白に染まっている。彼は来てくれるはずもない。ぐちゃぐちゃの気持ちをよくわからないこの感情をたとえ、ぶつけたとしても、八つ当たりにしか変わりなくて。彼も「ごめんね」としか言わない。だんだんと真っ白に包まれてゆく。頭が重い。息が苦しい。私は気を失った。私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。