彼女は笑いながら私に手帳のようなものを渡した
受け取って確認してみると、それは生徒手帳。
「何歳なの...?」
「17歳だよ!」
ケラケラと笑い続ける彼女は
まるで私をからかっているようだった
それに生徒手帳をよく見ると
" 欅坂女子学院 "の名が書かれていた
そこは本物のお嬢様が通う
幼稚舎から大学までエスカレーター式になっている凄いところだ
ならばこの子はここから少し離れたところにある、高級住宅地に住んでいる子なんだろう。
それにしても何故 そんな凄いお嬢様がこんな決して綺麗とはいえない喫煙所に居たのだろうか
それにまだ煙草を吸ってはいけない年齢
...
「理佐、すごい複雑な顔してる!」
「あ 当たり前じゃない!」
「気になることがあるかも知れないけど、そろそろ迎えが来ちゃうんだ」
「え?」
「残念、また会おうね?」
悲しそうな顔をする愛佳は
私が気になるような事ばかり残して喫煙所を出ていった。
すると直ぐに、ひと目でわかる高級車が近くに止まり
数人の黒いスーツを着た人が愛佳に頭を下げている。
その光景はどちらかと言うと
怖い系のヤクザのお迎えって感じに見えた。
「全然お嬢様って感じしなかったな·····」
愛佳は少しヤンチャな高校生といった印象だった
でも未成年で煙草を吸っているのに、超がつくようなお嬢様って·····
私が思い浮かべるお嬢様像とは違いすぎて混乱した。
「とりあえず煙草吸おっと·····」
精神的な面で少し疲れた私は愛佳から貰った煙草に火をつけた。
カチッ
「あれ、未成年から煙草貰うのって犯罪だっけ·····?」
続