恋人同士なのかそれとも友達なのか
そんな事は分からないけれど
真冬で凍えるような寒さの中を歩く人達は
皆幸せそうな顔だった。
「ゆいぽん、お待たせ!」
ベンチに座る私に声をかけたのはメンバーの渡邉理佐だ。
「遅い...」
「ごめんごめん!」
不貞腐れている私に理佐は笑顔で手を差し出す。
その手を握ると冷たくて驚いた。
理佐を呼んだのは私で、急に連絡したけど来てくれた理佐の優しさは胸にとても染みた。
手を繋いでしばらく歩く、周りの人達と違って私たちの空気は相当悪かったと思う。
クリスマスなのにな...
そんな空気の中、理佐は私に話しかける。
「由依はずーみんが居なくなって寂しい?」
理佐の問いに直ぐには言葉が出なかった。
「聞いちゃダメだった?ごめん...」
謝らなくていいのに...
「そんな事ない、寂しいよ。でもそう言ったらダメな気もして...」
「そっか。」
「理佐は?愛佳とずっと一緒にいたじゃん...。」
理佐に愛佳の話は、今日まで振ることが出来なかった。
愛佳が卒業することを知った時、誰よりも納得いかないような顔をしていたのが理佐だったから。
理佐のことが少し、私は怖かったんだと思う。
「寂しいよもちろん。それに心のどこかでまだ、愛佳が戻ってきてくれると思ってる。もう卒業しちゃったのに...。」
それをさ、理佐は目をウルウルさせながら ぎこちない笑顔を見せて私に言った。
理佐の涙につられそうになったけど、私は涙をぐっと堪えた。
「これからも頑張ろう...!」
繋いでいた手を離して理佐に抱きつき、耳元で私はそう伝えた。
パチパチバチ...パァーーーーー
すると突然、辺りが昼間みたいに明るくなった。
「理佐見て...!」
「綺麗...」
丁度、クリスマスツリーの点灯時間だったようで大きなクリスマスツリーがキラキラと輝き、私たちの前に現れた。
「来年は愛佳とずーみんのことも誘おう?」
そう言いながら理佐を見ると、理佐は涙を拭い頷いた。
「愛佳も佑唯ちゃんも、これからもっともっと大きくなっていく欅坂を楽しみにしてるよ、絶対...!」
「そうだね、来年は4人笑顔でツリーをみよ!」
「うん。じゃあ写真撮ろっか!」
そうして撮った写真を
私は、愛佳と佑唯ちゃんに送った。
🎄 MerryX'mas 🎅
来年は一緒に行こうね。
終
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HONO