あかねんの後ろについて行きお店の中に入る。


「わぁ...!すごいおしゃれなお店!」


「あかねん流石。」


理佐の言葉に頷いて、席で待つあかねんと合流した。


「理佐少し濡れてる!」


「うちが傘忘れたから仕方ないよ」


「ほんとだ...気づかなくてごめんね...」


あかねんの指摘で 理佐ちゃんが濡れている事に気づき謝る私に、気にしないでと言いながら理佐ちゃんが私の頭を撫でた。


理佐ちゃんは優しいな...


その後、食べるものを決め料理が来ると
食事をしながら、欅坂の事や今年がもう終わってしまうことだったりを話した。


食事も終わり店を出て帰ろうという時に、あかねんと理佐ちゃんが見つめ合い頷いた。

何だろうと考える私にあかねんが話しかけてきた。


「ぺーちゃんに選んで欲しい」


「なにを??」


この時の私は全く何を言われるか分からなかったから、軽く笑いながら首を傾げていた。

あかねんは そんな私に反して真面目な顔で話す。


「私ペーちゃんのことが好きなの。メンバーとしてはもちろんだけど恋愛の意味でも...」


「え...?」


驚きで口を開いたままの私を見ながら理佐ちゃんが続けて話し出す。


「うちもぺーのことが好き。もちろん恋愛の意味で...。」


「あそこにある観覧車に一緒に乗って欲しい。私と理佐、どちらかと。」


色々突然で私の頭は何も理解出来ていなかった。

頭の中が真っ白になるとはこの事だ。


「そ、その。一回1人にさせて...」


パニック状態のような私は2人にそう伝え、逃げるようにその場を離れた。


私が向かったのは近くのカフェ。

席に座り2人に場所と、少しだけ整理する時間が欲しい事をメールで伝えた。


好きと言われて嫌な気持ちになることは無い。

だけど私たちの場合は少し違う。


アイドルという職業、そして恋愛は禁止。


2人はそれをわかった上で気持ちを伝えたことになる。


多くのものを捨ててまで、私に...?











悩み始めてだいぶ経った。


そして私は段々と冷静さを取り戻し始めていた。


きっと全員が幸せになる答えなんて無いだろう。


多くの葛藤がある中で私は一つの答えを見つけ出した。



「さっきの場所に今から行くね。」



メールを打ち、お店から出る。



少し歩くと2人が見える。


雨はいつの間にか止んでいて

月が少し顔を出していた。



「お待たせ...!」


「ぺー?」


不安そうな2人に微笑み、私は2人の手を握る。


私はこれからもメンバーみんなと一緒に

欅坂を盛り上げたいと思っている。


気持ちは嬉しかった。

でもどちらかを選び2人で秘密を隠し続ける
又はグループを抜ける事が幸せになるとは全く思わなかったから

選べないんじゃなくて選ばなかったの...。

だから私は3人で観覧車に乗りたい。

そういう意味で2人の手を握ったんだ。


口でそういうことを伝えるのは苦手で、2人には無言になってしまったけど

2人はそのまま何も言わずに手を握り返し歩き出してくれた。










...おまけ...


「あかねんと理佐ちゃん怒ってる...?」


観覧車で言った私の言葉に2人は首を横に振る。

そしてあかねんと理佐ちゃんは

 口を合わせて私にこう言った。


『ぺーちゃん好きだよ!』








END

..........

後編の投稿遅れましたがリクエストありがとうございました(^-^)

少しリクエストの内容とズレてしまった感が否めないかもしれませんがお許しを...すみません。


Twitter→@pon_yui00


HONO