「上村さん上がっていいよ〜お疲れ様。」


上村「はぁ...終わったー」


バイトを終え、更衣室にある長椅子に倒れるように寝そべる。


疲れた体を一度休ませてしまうと、再び動かすには時間が必要。


ちょっと休んでから帰ろ...


そう思って目を瞑った瞬間


ガチャッ


「お疲れ様〜」


...ハツ


ある人の声が聞こえ、私は勢いよく目を開いた。


「莉菜ちゃんお疲れっ...て、どうしたの!?」



上村「いやっ!何でもないです...!!」



みっともない姿を見せてしまったと悔いながら体を起こすと

少し控えめに先輩が笑っていた。


上村「すみません...」


小林「謝らないで?別に悪いことしてた訳じゃないでしょ?」


上村「疲れちゃって、つい ダラっとしちゃいました...」


小林「今日はスタッフの人数少なかったから疲れたよね。」


そう言いながら、先輩は背伸びして体を伸ばす。


その姿がとても綺麗で...


私の目は先輩から離れない



小林「そんなに見ないで...恥ずかしい...。」


頬を少し赤くして照れくさそうに笑う先輩を

私はイケメンではなく、天使だと時々思う。


小林「それじゃあ、私はもう帰ろうかな。」


私がボーッと先輩の事を考えている間に、いつの間にか支度を終えていた先輩。


同じ高校に通っているけど、学校で人気者の先輩とは
週に一回、バイト終わりのこの時間にしか話せない。

それなのに、みっともない姿を見せてしまっただけで全然喋れてない...




小林「じゃあ莉菜ちゃんお疲れ様!」


あぁ、先輩行っちゃう...

言わなきゃ、早く言わなきゃ...!



上村「あの、先輩!今日は途中まで一緒に帰りませんか...?」


勇気を振り絞って、先輩の後ろ姿にそう伝える。


すると、クルッと先輩は私の方を向いてニコリと微笑んだ。


小林「もちろん!」


上村「ほんとですか!?やった!」


私は急いでパーカーと鞄を握り、バタバタと帰りの支度を始める。



小林「莉菜ちゃん、そんなに急がなくたって私は逃げないよ?」


パーカーに腕を通してる途中の私に、先輩がそんな言葉をかけた。


上村「そうですよね...!」


小林「ゆっくり帰ろ?そしたら沢山話せるね!」


先輩の言葉が嬉しくて、体の動きが一瞬止まった。


本当に優しいしカッコイイ。


そりゃ学校であれだけ人気な訳だよ...


たまたまバイト先が同じで本当によかった。



上村「終わりました!先輩帰りましょ!」


小林「うん。じゃあ行こっか。」


そう言った先輩はドアを開けて微笑む。


あー、やっぱり好きだな...











(おまけ)




上村「先輩って彼氏さん居るんですか...?」


小林「ん?居ないよ?けど好きな人は居る!」


上村「そうなんですか...絶対素敵な人なんだろうな〜」


小林「莉菜ちゃんも素敵だよ?」


上村「うぅ...先輩ずるいです.....


小林「???」







END



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