そんな過去があったから、今の私は電気をつける事を最優先に行うんだ。



高校生になって、学校が遠いからと一人暮らしを始めたんだけど

はじめの数カ月は 怖くて、寂しくて、本当に辛かった。



今は、その時よりきっとマシになっていると思う...。



自信はないけどね!



最後はそう明るく考えたけど


私は自分の過去を思い出しながら、少し涙ぐんでしまった。



すると



グゥゥ



今泉「!?」



少し前にファミレスでスイーツを食べたのにも関わらず、私のお腹が突然鳴った。



涙を流してエネルギーを使ったのだろうか?


でも、そんなに泣いてはないのに...。



今泉「まぁいっか。なにか作ろっと!」



考えることが面倒になった私はそう呟き、涙を手で拭いながらキッチンに向かった。





しばらくして、出来上がった料理をテーブルに運び


今泉「いただきまーす!」


元気よく手を合わせてそう言ったあと、料理を口に運んだ。



今泉「美味しい...!んー...やっぱり私って、料理の天才!」



そう呟いてから、私はこんな事を想像した。



それは、私が家に帰ってから また食べていることを理佐さんが知ったら



私のパンケーキ盗んだくせにまだ足りなかったの?



なんて呆れながら笑いそうだなって事。



理佐さんの笑った顔を想像するだけで、私の口角は自然にグッと上がる。


こんな所を誰かに見られたら

きっと気持ち悪いとか思われるだろうけど、一人暮らしだからその心配はない。


私にとって、一人暮らしのいい所はそれなのかもしれない...。



私はそう思いながら
明日も理佐さんに会えることを楽しみに、食べ終わった食器を洗い始めた。