西野さんの次は、白石さんにつかまってしまった私。


そして白石さんはニコニコと笑いながら、私に色々と話しかけてくれたけど

西野さんが戻ってきたら、収録が始まるまで本当にこのままだ...。

 
なんて考えていたから

白石さんの話は、たまに相槌をするくらいで しっかりと聞いていなかった。


しばらく経つと、白石さんはそれに気づいたのか、突然話すのをやめて私をジッと見つめてきた。





気まづい...。


そう思う一方、整った綺麗な顔を間近で見ることが出来て、嬉しいとも思っていた。


すると



ギュッ



小:白石さん...!?


白石さんは満面の笑みを見せた後に、思い切り私に抱きついてきた。


私は反射的に白石さんを避けようと、体を後ろに逸らしたのだが
そんなのは無意味で、一瞬で白石さんの腕の中に入ってしまった。



こうなってしまえば私はどうすることも出来ない...。



ただ白石さんから香る、甘い香水の匂いと背中にそっと添えられた掌に包まれ

どこか...心地よいと感じていた。






ガチャッ



西:...ッ!?まいやん!!!



しかし、その時間が終わるのも一瞬で


いつの間にか楽屋に戻ってきていた西野さんの大きな声に驚き、


白石さんさんはパッと私から手を離し
西野さんの方を、ジッと見つめていた...。





西:...まいやん、何してたん?!


そして、西野さんのそんな一言から 二人は言い争い始めてしまった...。



白:何って...。由依ちゃんを連れてきた張本人である七瀬が、
由依ちゃんを置き去りにしてたから、話してただけ!


西:話してただけなんて嘘!抱きついてたやん...!!



白:大体、なんで七瀬は怒ってるの!?
由依ちゃんは別に七瀬の何でもないでしょ!



西:そうやけど...それでも嫌なの!!



座っていた白石さんは、少しずつ西野さんに近づいて行っていて...

二人はいつの間にか、向かい合って言い争っていた。


そんな二人を私は見つめているだけで、どうしようかとキョロキョロしていたら


小:...!?


突然、視界が真っ暗になった...。

初めは停電が頭をよぎったが

微かに手が見えた為、誰かが目隠しをしたのだと考えた。



けど、こんな時に一体誰が...?


そう思った私は、誰かの手を掴んで目からどかした後 うしろを振り向いた。




するとそこには...




またも悪戯な笑顔を見せる 衛藤さんが立っていたーー。