家に着いた私は、替えの制服に着替えてからすぐに学校へ向かった。
ガラガラッ
先生:おはよう。菅井が遅刻とは珍しいな。
菅:すみません...。
先生:気をつけるように。
菅:はい。
先生と話している間
クラスメイト数人の視線を感じたが、私は気にせずに席へと着いた。
しかし、授業が終わると
すぐに数人の生徒が私の周りに集まってきた。
「理事長の孫が遅刻していいんですかー?」
「特別扱いか何かなのー?羨ましいな〜?」
「アハハハハ」
初めは平手さんの事で、私に強い言葉を投げていたはずのクラスメイト達は
いつしかそれ以外の事でも、何かと陰口を叩いたり 誹謗中傷を言うようになっていた。
どうしたら彼女達はその行為を止めるのか、考えても
時間が解決してくれる。
それだけしか私の頭には浮かばなかった。
悔しくても、もう二度とあの時の過ちを繰り返すものかと言い聞かせて耐える事にした。
収まることを知らない彼女達の悪口や笑い声。
私は耳を塞いで、チャイムが鳴るのを待った。
しかし休み時間が始まったのは ついさっき。
たった十分がとてもとても長く感じた...。
「耳塞いでないでちゃんと聞けよ!」
一人の生徒はそう叫んで私の手を引っ張った。
菅:痛い...!お願いだからやめて下さい...
情けないと思いながらも、やめてくれるよう頼むことしか出来なかった。
するとその時、私の手を無理矢理引っ張る一人の生徒の手を誰かが掴んだのが見えた。
「何するの!?誰?」
突然 手を触られて血が頭に上ったのか、その生徒は止めに入った誰かに勢いよくそう叫んでいた。
そう言えば、とてめくれたのは誰なのだろうか...。
きっと、あかねんだよね...。
菅:あか...
?:友香に汚い手で触るな!
菅:...ビクッ!?
顔を上げながらあかねんの名前を呼びかけたが、
目の前にあかねんの姿はなく
そこに立っていたのは、
すごい剣幕で彼女達を睨む、平手さんだった...。
続