私は、視聴覚室で立ち尽くしていた。


涙は枯れて、胸には大きな穴があいた。




そして、そんな私の背中にそっと手を添えてくれたのは あかねんだった。


守:友香、頑張ったね...。


優しい言葉をかけてくれて、包み込むように私を抱きしめてくれた。


菅:私って最低...酷い女だね...。


自分のやっていた事の重大さに気づき、沢山自分へ傷つく言葉を送った。

そんな私にあかねんは


守:そんなことないよ、最後に友香はちゃんと向き合えたじゃん!
だから、そんな事言わないで...。


そう言って、ずっと私を抱きしめてくれていた。


菅:私スッキリしたよ...?あかねんのおかげ、ありがとう。


いくら私が自分でスッキリしたって、悪い事をしたに変わりはない。


ちゃんとそう思っていたけど、


まさか



それを体で感じることになるなんて、思ってもいなかった...。










ー数日後ー

  平手さんと今泉さんは上手くいったようだ。


これはあかねんから聞いた。

どこか虚しい気持ちのまま、教室のドアを開けると
クラスの皆が一斉に私を見て
近くの人と、コソコソと何かを話し始めた。


私は気にせず、自分の席に座ったが

いつの間にか周りを何人かの生徒に囲まれていた。


「友香ってさー、後輩脅してたんでしょ?」


「平手さんだっけ?階段から落ちたことで脅したってマジ?」


薄ら笑いをしながら、クラスメイトは私にそう言った。


本当のことだから何も言い返せなくて、黙っていると
また、クラスメイトは私に言葉を投げかけた。


「何も言わないってことは本当ってこと?」


「ほらやめなよー!平手さんみたいに私達も退学にするよって、脅されるよー!」


『アハハハハハ』



どこからその話が漏れたのか、私は知らない。


この時、怒りの先は この話を流した人や
私の周りを囲んでいる彼女達でなく、自分だった。


結局、私には誰もいない...。


顔を上げ、私の周りを囲んでいるクラスメイトの間から
綺麗な青空が見えた。



はぁ...

この青空だけは、私の味方をしてくれるのかな...。