楽屋から出た私は、
どこへ向かうわけでもなく、ただ早歩きで廊下を歩いた。
時間が経つと、段々冷静になり
もしメンバーに からかわれたとしても、上手く対応できると思った。
だから楽屋に戻る事にした私は 来た道を引き返し、楽屋のドアを開けようと手をかけた。
だけどその手の上に誰かの手が重なり、ビクッと肩を上げて振り返ると
そこにはニコニコと笑う西野さんがいた。
小:西野さん...?!
突然そこに居た事への驚きと、さっきの出来事での気まづさ、そして先輩という事での緊張。
そんな沢山の感情が、一度に生まれた。
西:由依ちゃんどうしたん?
混乱している私に気づいたのか、そう言ってくれたが、
西野さんが満面の笑みだった事から
それは心配では無く、面白がっていると気づいた。
小:西野さんは楽屋戻らないんですか...?
西:これから戻るよ?
小:そうなんですね...!
ホッと息をついた後、西野さんを見るとまだニコニコと笑っていた。
その笑顔に嫌な予感がした私は、
逃げるように でもその感情がバレないよう冷静に、もう一度楽屋の扉に手をかけた。
しかし 少し手をかけるのが遅かったのか、
西野さんに今度は強く手を掴まれた。
小:...?!
驚いていると、西野さんは私に背を向けて歩き出した。
小:どこに行くんですか...?
私の問に答えてくれることなく、西野さんは黙々と足を進めるだけだった。
そしてある扉の前で、西野さんは突然足を止めるものだから
私の体は西野さんの背中に、小さく音を立てて当たってしまった。
小:あっ、すみません...。
その声で 西野さんは私の方を向いた。
表情は変わらずに満面の笑みで、何を企んでいるのか分からないから 心臓が激しく鼓動した。
そんな中、扉をよく見るとそこには
「乃木坂46 様」と書かれたプレート。
そのプレートを見て、私は息が震えた。
けど心の準備をする間もなく、西野さんに腕を引かれて
私は乃木坂さんの楽屋の中へ飛び込んでしまった。
中は欅坂と同じくらいザワザワとしていたが、
私に気づくと、乃木坂さんは一斉に視線を私へ集め、その場は一瞬で静寂に包まれた。
どうなっちゃうの...?
そんな心の気持ちが、西野さんに伝わる事はなく、西野さんは席に座り携帯をいじり始めた。
私は西野さんの隣に恐る恐る座り、
どうしていいのか分からずに 身を縮めていると
段々と私の周りに、乃木坂さんが集まり始めた。
続
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皆様 おはようございます!
そして、いつもお読み頂きありがとうございます!
今回は約一ヶ月前に投稿した、西野七瀬さんと小林由依さんの続きです!
これから不定期で続き書こうかな?なんて思ってます!
乃木坂さんの楽屋に連れていかれたゆいぽん...どうなるのかお楽しみに!
それではお読み頂きありがとうございました!
Twitter→@keyaki_ameba
HONO