ファミレスの中に入り席に案内される。
何故か表情が明るい今泉さん。
そしてさっきからどこかをジッと見ている。
気になって今泉さんが見ている方へ視線を向けると、
そこには、菅井友香さんと渡辺梨加さんの姿があった。
理:ちょっと...!
今:どうしました?
理:どうしました?じゃないよ!ファミレス入った理由ってこれ?
二人がいることを知った私は、急に気づかれた時の事が頭をよぎって
小さな声で今泉さんに話しかけた。
今:いいじゃないですか!理佐さんも気になっていたんでしょ...?
二人の関係を知ったら自分は傷ついてしまうかもしれない。
でも二人の関係が気になるのは事実だから何も言えなくて、
だから私は頼んだアイスカフェラテを口へと運んだ。
アイスカフェラテを飲み終え、視線を今泉さんに戻すと、
今泉さんは、いつの間にか頼んでいたパフェをパクパクと美味しそうに食べていた。
もはや今泉さんは、菅井友香さんと渡辺梨加さんを見ていない。
二人の関係を知りたかったのか、ただ単にパフェが食べたかったのか。
今泉さんの行動には悩まされてばかりだ。
そしていつの間にかファミレスに入って一時間が経っていた。
菅井友香さんと渡辺梨加さんは、ずっと楽しそうに話していて、
今泉さんはというと、お腹いっぱいになったのか幸せそうに寝ていた。
帰ってもよかったのだが、今泉さんを置いて行ったら怒られそうだったからと
携帯を見て起きるのを待つことにした。
けど今泉さんが寝てから、約一時間ほど経った時、
菅井友香さんと渡辺梨加さんは、お会計を済ませファミレスを出ていってしまった。
元々は、二人の関係が気になるからとここにいたのに、
二人がいない今の状況は本当に面倒だった。
そして、時間も時間だからと寝ている今泉さんを起こす事にした。
理:ねえ...今泉さん?
今:んー...。
理:親に怒られるよ?
今:親いないからいい...。
理:...えっ?
今泉さんは寝ぼけてそう言ってしまったのだろうか...?
何にせよ、私は親が居ないと言う事を聞いて とても驚いた。
それに、なんて反応したらいいのか分からなかったから、
私はもう一度寝始めた今泉さんを、無理に起こすことをやめた。
明日も学校だし、外は真っ暗。
けど家にいるより、私はここにいる方が楽だと感じた。
続