私の名前は上村莉菜。
今日は、同じクラスのゆいぽんと遊ぶ約束をした。
私は体が弱く、学校を休む日が続いた時もあり友達はなかなか出来なかったし 居なかった。
けどそんな私に声を掛けてくれたゆいぽんだけが、私の唯一の友達だった。
ゆいぽんは私にとってとても大切な存在なんだ。
思い出に浸っていると、遠くからゆいぽんが走ってきた。
そんなゆいぽんに手を振って、私の元に来るのを待った。
由:莉菜ちゃんお待たせ!体調悪くない?
上:うん!大丈夫だよ!
私の元についてすぐに、ゆいぽんは私の体調を気にかけてくれた。
ゆいぽんはとても優しいから、クラスでは人気者だし、狙っている人も沢山いる。
いい事だけどなんだか悲しいような...。
そんなことを考えていたから、顔が暗くなっていたのか
ゆいぽんが心配そうに、私の事をジッと見つめていた。
由:どうしたの?やっぱり体調悪い...?
上:ううん何でもないよ!それに元気!!
由:無理はしないでね、じゃあ行こっか?
優しく微笑んだゆいぽんは、私に手を差し出した。
その手を離さないようにちょっと強く握ると、ゆいぽんは優しく握り返してくれた。
向かった先は、小さな駄菓子屋さん。
この駄菓子屋さんは、遊ぶ時に必ずくる場所。
由:やっぱり莉菜ちゃんと私といったらここだよね!
上:うん!
ゆいぽんと話している時間は、とても大切だった。
そしていつしか私は友達としての 好き ではなく、
一人の女性として、ゆいぽんを好きになっていったんだ。
けど唯一の友達を失うかもしれない。
嫌われるかもしれない。
そう思うと、想いを伝える事は出来なかった。
約一週間後の学校帰り。
少し先に見えるのは、ゆいぽんとよく行く駄菓子屋さん。
駄菓子屋さんに寄って、ゆいぽんの好きな駄菓子を買ってプレゼントしたら喜ぶかな?
なんて考えながら、私は足を弾ませ駄菓子屋さんに近づいていった。
入口に立つと、中にはお会計をする二人の女の子。
私は後ろ姿だけで分かった。
二人のうちの一人が、ゆいぽんだって。
ゆいぽんと手を繋いでいるもう一人の女の子は誰だろう。
上:ゆいぽん...?
声をかけると、ゆいぽんは振り返っていつものように微笑んだ。
そしてすぐにもう一人の子も振り返って、私に軽くお辞儀をした。
すると、お会計が終わったのか二人は手を繋いで駄菓子屋さんを出ていってしまった。
何故かゆいぽんは私に話しかけてくれなかった。
バイバイも また明日も 何も言ってくれなかった。
手を繋ぐ二人の後ろ姿を眺めると、視界が段々ぼやけていった...。
そしてその日から、ゆいぽんは少しずつ私から離れていってしまった。
後から噂で流れてきたのは、隣のクラスの美人さんと付き合ったということ。
彼女を心配させたくないからと、色んな人と距離を取っているらしい。
ゆいぽんらしいけど、私はとても悲しかった。
好きな気持ちを我慢すれば、ずっと一緒にいられると思っていたのに...。
私にとってゆいぽんは、唯一の友達で好きな人だった。
けどゆいぽんにとって私は、ただの仲のいいクラスメイトだったんだ...。
終
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おはようございます!
いつもお読み頂きありがとうございます!
今回は切ない系を書きたいなと思いまして、
久しぶりのゆいぽんと莉菜ちゃんで
「唯一の友達」を投稿しました!
お読みいただいた方ありがとうございました!
最近はとても暑いので、水分補給忘れないように気をつけてくださいね!
Twitter→@keyaki_ameba
HONO