理:まーなかっ!

志:ビクッ...!


私の名前は渡邉理佐。

そして今、名前を呼ばれてビクッと肩を跳ね上がらせたのは、私の部屋でくつろぐ恋人の志田愛佳だ。


すると、さっきまで可愛らしく驚いていた愛佳が、足を組み不機嫌そうな声で一言こういった。


志:どっかいって。


理:...。


「どっかいって」そんな言葉を恋人の私に言うなんて、信じられない。

そう思って、ため息をついてから愛佳に言われた通り、部屋を出た。



ドアの横に座り込んだ私は、ドアを見つめてこう呟いた。


理:大体愛佳がいる所、私の部屋なんだよね...。








ここに座って十五分ほどかな?

そろそろ愛佳の機嫌も直ってるかなって、立ち上がって少し開けたドアから中を覗くと、

私のベットに横になっている愛佳が見えた。



理:もう...。


スタスタスタ



理:まーなかっ!!


志:んー...。


理:まーなかっ!!

志:なにー...。


理:まーなかっ!!!

ガバッ!

志:チッ...うるさい!


起きない愛佳の名前を何回も呼んでいたら、舌打ちをされて怒られた。



理:けど、そこ私のベット!!


愛佳に負けじと怒ってそう言った後に、愛佳の隣に横になって、
ギュッと後ろから抱きつき名前を呼ぶと


志:暑い...。


眠そうな声で愛佳はそう言った。


けどさっきみたいに、出てってとかは言わないから、このままでいいんだな...。


なんて勝手にそう判断して、ウキウキと愛佳に聞こえるようこう言った。


理:愛佳大好き...!


志:...。



愛佳から言葉は何も返ってこない。


でもそれじゃあ悲しいからって、


理:まーなかっ!

声を張って名前を呼ぶと、


志:照れるからやめてよ...。


そう言って頭をポリポリとかきながら、体を起こして、私をジッと綺麗な目で見つめるものだから、
私の方が照れてしまって、恥ずかしいから両手で顔を抑えると


志:うちの事起こした罰。


そう言って、私の手を掴んで顔から離した愛佳は私に跨って、目が合うとすぐにキスをしてきた。


それから数秒経って唇を離した愛佳は、照れくさそうにはにかんでから


志:大好きだよ...おやすみ。


パチンッ


そう言って私のおでこにデコピンをした後、また横になって愛佳は眠ってしまった。



冷たいし結構傷つくことも言われるけど、それよりも沢山の愛を愛佳はくれるから、


私は志田愛佳が大好きなんだ...。