薄暗くなった道を手を繋いだまま歩いていると、ある場所に着いた。


そこは近くにある中学校。


志:ここって中学校だよね...?


理:うん!ほらあそこ見てみて?


そう言って、渡邉さんが指さした先を見てみると、
真っ暗な中学校の中で、唯一明かりがついてる体育館が見えた。


耳を澄ませば、私が大好きなバレーボールが床に跳ねる音がした。


志:バレーボール...?


驚きと疑問で、その場から動けなくなっていると


理:行こ!


渡邉さんは突然、私の腕を引っ張って体育館の方へと連れていった。


体育館の入口に着くと、そこにはバレーボールをしている人が数人居た。


そしてその中の一人が、私たちに気づき近づいてきた。


『こんばんは!理佐ちゃんどうしたの??』


理:こんばんは!あの...この子志田愛佳って言うんですけど、一緒にバレーやっても良いですか...?


突然の会話によく分からず、何も話せずにいたが、


『えっと、愛佳ちゃんね!愛佳ちゃんはバレー好き?』


そう聞かれて、私は元気よくこう答えた。


志:大好きです...!!


『うん!なら一緒にやりましょう?準備できたら声かけてね!』


そう言って、おばさんはコートへと戻って行った。


そして渡邉さんにどういう事か聞いてみると、


理:今の人ご近所さんなんだけど、今日みたいに夜、中学校の体育館を借りてバレーをやってるの!
迷惑かもって思ったんだけど、愛佳のバレーへの気持ちが素敵だと思って、勝手にごめんね...。


渡邉さんは申し訳なさそうにそう言ったけど、私は感謝の気持ちで一杯だった。


志:ううん!凄く嬉しい...!!ありがとう!


お礼を言ってニコッと笑うと、


理:志田さんのバレーをしている所早く見たい!


ワクワクした表情で私を見ていて、渡邉さんは本当に優しいと思った。