菅井さんはため息をついてから、朝の出来事を教えてくれた。


菅:実は授業が始まる前にね、志田さんが理佐の元に来てさ...。

美:愛佳が...!?


確認するように聞くと、菅井さんは頷いた。


菅:うん...。それでね、志田さんが出ていった後に心配で、
あかねんと一緒に、理佐の元に駆け寄ったんだけどね、
理佐に黙っててよって、突き放されちゃってさ...。

菅井さんは、少し俯きながら悲しそうにそう教えてくれた。


美:話してくれてありがとう...。

菅:うん...。


うちはお礼を言って、次は屋上へ向かった。




ー屋上ー

ガチャン


ドアを開けると、座り込んで小さくなっとる葵を見つけて、
うちは葵の元へ駆け寄った。

美:葵...!?


名前を呼ぶと、ゆっくりと葵は顔を上げたが、
葵はまるで、この世の終わりみたいな顔をしていた。


美:何があったん...?


葵の目を見て、そう聞くと葵はここで起きた事を教えてくれた。




...。



美:そんな事が...


葵:私じゃダメだったみたい...。やっぱり理佐にとって私は友達でも何でもないのかな...?

泣きそうになってる葵にうちは、


美:そんなことないに決まっとるやん...!


そんなことしか言えんくて...。

全部うちのせいなのに、

葵にこんな辛い思いさせてしまって、

申し訳ない気持ちで一杯になった。


美:ごめんね...。うち、理佐とちゃんと話してくる...。


すると、葵はうちの目を見てこう言った。


葵:理佐の事、お願い...。

美:うん...行ってくるね。


うちは葵の背中を優しくさすった後、屋上を出た。