今日葵は学校に来て、挨拶を交わしたあと教室を出ていった。


それから少し経つと、愛佳が教室に入ってきて、うちの腕を掴んだと思ったら、

そのまま無言で、うちは人気のない階段へと連れていかれた。


美:愛佳どうしたん...?


不機嫌そうに、うちを見つめている愛佳にそう聞くと、
愛佳は口を開いた。


志:あいつ、原田だけの力じゃ無理だと思う。

美:えっ...?


愛佳からの、意外な言葉に驚いとると


志:ちゃんと、あいつと話してきな...?


さらなる意外な言葉に、うちは言葉を失った...。


すると愛佳は、返事も聞かずに階段を降りて行ってしまいうちは一人になった。


きっと愛佳が向かったのは保健室だろう...。


でもなんで愛佳は、

理佐と話してきな、なんて言ったのかな...?


でもうちは、理佐とちゃんと話したかったから、

愛佳の言葉に甘え、足を動かした。


すると


キーンコーンカーンコーン

授業が始まるチャイムが鳴った。


でもうちは、気にしないで五組へ向かおうとしたのに


先生:小池!はやく教室に行きなさい。


近くにいた先生に見つかって、仕方なく教室へと戻った。


教室には愛佳と葵が居らんかった。


愛佳は保健室だと思うけど、葵はどうしたんやろ...?


授業が始まってるのに、葵が戻ってこないなんて珍しい。



だからうちは、前の席のゆいぽんに聞く事にして、

トントンと肩を叩いた。


小:どうしたの?

美:葵がどこいったか知らん?

ゆいぽんにそう聞くと、ゆいぽんは知らないって首を横にふった。


結局、葵がどこに行ったんか分からないまま授業を受けた。


授業が終わると葵と理佐を探すために、うちはすぐに教室を出た。


そして向かったのは、理佐のクラスである五組。


ー五組ー

 五組を覗くと、守屋さんと菅井さんが話していた。


守:何なのよほんとに...どうしちゃったの。

菅:やっぱり最近おかしいよね...。


そんな二人に私は話しかける。


美:二人共、理佐知らん?


理佐という名前を出すと、二人は顔を歪ませまた。


美:何かあったの...?


そう聞くと守屋さんは席に座り、机に顔を伏せてしまって、

そのかわりか、菅井さんが話してくれた。