理: 葵...?

そんな声が聞こえて、私は目を覚ました。


葵:ん?フワァ...。

理佐はなんでそんなに、驚いているのだろう。

そう思いながらも、私はゆっくり体を起こした。



理:なんで葵が...?


理佐にそう言われて、私はもう一度欠伸をしてから、理佐の質問に答えた。


葵:なんでって理佐がいるかなぁ、と思って!

本当は理佐の後ろをつけてきた。

だけどそんな事は言えなくて、私は咄嗟に嘘をついたんだ...。


すると理佐は、いつもより低い声でまた質問をしたきた。


理:何か用あるの?


理佐にそう言われて、あるよと答えると


理:なに?


理佐は私を少し睨みながら、そう言った。


でも、理佐本当は分かってるんでしょ...?

だから私は理佐にこう言った。


葵:分かってるくせに...。


すると理佐は図星だったのか、すぐに目を私から逸らした。


だけど少し経つと、理佐は突然私の肩を力強く握りこう言った。


理:でも私の気持ちは変わらないよ、自覚しててもそんなの関係ない...。
私は一目惚れして、優しくみいちゃんの気持ちを、一番に考えてた。
それなのに、みいちゃんはあんな奴を選んだ...。
おかしいんだよ!ちゃんと気づかせなきゃ!
そうでしょ?


理佐がこんなに人を悪く言うなんて初めてだったし、言うなんて思ってもいなかった...。


だから私はとても驚いた。


でも今理佐が言ったのは、きっと本心なんだろう。


なら私もちゃんと伝えなきゃ...。


私はそう思って、屋上を出ようとしていた理佐に言葉を投げかけた。


葵:それじゃあ私は、理佐を救えない!
どんなに私が頑張ったって、周りが助けようとしたって、
理佐が自分で変わろうとしなきゃ、意味無いよ!


これが私の本心だよ。

理佐の後ろ姿を見つめながら私はそう思っていた。


でも理佐は私に言い返すこともなく、少し経つと屋上を出ていった。



私はその場に座り込みこんなことを思った。


もし皆が理佐を助けようとしなくたって、助けるのを諦めたって、
私だけはずっと理佐の味方だし、ずっと理佐の友達なんだよ...?


理佐にはちゃんと伝わったかな、少し不安になりながらも私は理佐を信じることにした。