ガチャ
家に着いた私は、無言で階段を上った。
階段を上っている途中、
「帰ってきたのねー?それなら、ただいまくらい言ったらどうなのよ!」
私と同じで、不機嫌そうな母親の声が聞こえた。
理:...。
しかし私は何も言葉を返すこと無く、自分の部屋のドアを開けた。
私には友達が居ないから、
家に帰ってきても、誰かと連絡を取ることや遊びに行くことも無く、
ただベットに寝転がって目を瞑り、眠くなるのを待つだけ...。
カァーカァーカァー...
窓から見える、一本の木に止まるカラスの鳴き声で、私は毎朝目を覚ます。
シャー。
カーテンを開けて、窓からカラスを睨みつける私は
理:どうせならカラスじゃなくて、小鳥の鳴き声で起きたいものだよ。
カラスに文句を言っても仕方が無いけど、私が朝一番に声をかけるのは、もう長らくカラスだ。
だから体に染み付いてるというか、何か言わずには居られないんだよね...。
カラスに一言呟いた私は、リビングに降りて自分で朝食を作った。
父親は私が起きるこの時間には、もう出勤をしていて、母親はまだ夢の中。
だから基本リビングに来るのは、朝食を食べる時だけ。
そんな事を考えながら朝食を済ませた私は、早々と家を出て学校に向かった。
今の時刻は、まだ六時半を少し過ぎたくらい。
職員門から学校に入った私は、もちろん一番乗りで教室についた。
まだ授業まで二時間ほど暇だからと、いつもは寝るんだけど、
今日は、ある場所へ行ってみることにした。
私が向かった先は生徒会室。
鍵が開いているかも分からないまま、私はドアノブに手を伸ばした。
ガチャッ
理:開いてる。
心の中でラッキーと呟いた私は、そのままドアを開けた。
けどこの数十分後に、来なければよかった。
そう思うなんて私は知らない。
続