ー次の日ー

教室に着くと、オダナナとゆいぽんがうちの元に来た。

織:おはよ!

小:おはよう!

美:二人共おはよう!

二人に挨拶をした後教室を見回すと、ヘッドホンをつけた愛佳が居った。

でも葵は見当たらない...。

いつも一緒に学校へ行っている葵が、今日は居らんくて、

てっきり先に行ったのかと思っとったけど、来ていないなんて、どうしたのだろう。


理佐に聞いた方がいいのかな...?

でも、愛佳とまだ仲直りしていないし、
もしかしたら、もっと大きな喧嘩になってしまうかもしれない...。

まずちゃんと愛佳に謝ろう。

そう決めたうちは愛佳に謝るため、愛佳の席へ向かった。


美:まな


ガタンッ

名前を呼ぼうとしたら、
愛佳はうちの気配を感じたのか音を立て席を立ち上がり、教室を出ていってしまった。



でもうちは、追いかけなきゃ!そう思って、愛佳の後に続いて教室を出た。

美:愛佳待ってよ!

愛佳の手を強引に握り、うちは愛佳を引き止めた。

でも愛佳は何も喋らなくて、それどころか目も合わせてくれない...。



しばらく無言が続くと、突然うちは手を握り返され、愛佳に引っ張られた。

愛佳は走って、うちをどこかへ連れていこうとしている。

きっと屋上だろう。


少し経つと、案の定屋上につき二人きりになった。


志:はぁ...。

愛佳が吐いた溜息から色々な感情が伝わって、
その溜息の原因がうちだと、ひしひしと感じた。


美:愛佳ごめん...。


愛佳を傷つけ苦しめた事を、うちは謝った。
けど愛佳は何も言わない。

もうダメなんかな...。

でも愛佳を傷つけたうちに、別れたくない。そんな言葉を言う資格はない...。

けど別れよ。なんて言われたくはないから、うちは愛佳が何か言う前に、屋上を出る事にした。

だから愛佳が背を向けているうちにと、私はドアの方へ足を進めた。

そしてドアノブに手をかけると、突然愛佳はうちの事を後ろから抱きしめた。

背を向けている時を狙ったのに、なんで分かったんだろう。


そう思った時、昨日土生先生に言われた事を思い出した。

「心は繋がってる」

昨日までは、繋がっているよね?そう不安に思っていて何の確信もなかったのに、
今、証明できている事が嬉しかった...。


すると愛佳は、ようやく言葉を返してくれた。

志:暴力は良くないよね。嫌な気持ちにさせてごめん...。

そう言って私の体に回していた腕を、愛佳は離した。

だからうちは振り返って、

美:仲直りやね...!

そう言って笑った。すると愛佳は顔をドンドン近づけて、近い...そう思っていると、唇に柔らかい感触がした。

キス...?!

驚いてポカンとしていたうちに、愛佳は微笑んでこう言った。

志:これでホントの仲直り...!

もちろん愛佳は耳を真っ赤にしてたんやけど、そこには触れないで、
私達はもう一度強く抱きしめあった。







その後、うちは教室に戻ったけど、葵がその日学校に来ることは無かった。

だから今日の放課後、久しぶりに葵の家に行くことにした。