葵:ねえ理佐...なんでこんな事に...。


そう呟いた葵を、私はジーッと見つめた。

すると葵は、

葵:どうして変わっちゃったの...?

悲しそうに、でもどこか呆れているような声で私にそう言って、
私の視界から居なくなった。



しばらくすると、音は何一つ聞こえなくなり周りには誰もいなくなった。

もう皆、帰ったのだろう。

私も立ち上がり荷物をまとめて体育館を出た。


「一人ぼっち。」


孤独が私をさらに窮地へ追い込んだ。




…………………………………

 愛佳は立ち去り、うちは追いかけることも無く、その場に立ち尽くしとった。


愛佳はうちの事を考えてくれた。



それはちゃんと分かってる。


けど理佐を殴らなくたって、良かったんやないかって、
そう思って、愛佳につい強く言ってしまった。

まだ付き合ったばっかりなのに、何でこんな事になってしまったの...?


そう思いながら後ろを振り返ると、大の字で寝転がる理佐の姿が見えた。


その表情はどこか笑っているように見えて、前の理佐とは違っていて悲しかった。

そんな理佐に、うちは声をかけることが出来なくて、
だから鞄を手に、うちは体育館を飛び出した。







学校中を走って愛佳を探しとると、

一週間前理佐に告白された後、
屋上を出て、廊下を全力疾走しながら愛佳を探した時を思い出した。


あの時は保健室に居た。

だからきっと今も、保健室にいるはず...。


そう考えたうちは、保健室へ走った。


保健室着くやいなや、私はドアを思いっきり開けた。


ガラガラ

美:愛佳...?


パッと見ただけだと、保健室には土生先生も居ないし、生徒だって誰もいない。

だけど一つのベットだけはカーテンが引かれていた。

きっと愛佳や...。

うちはベットまで歩いてカーテンを開けた。


シャー...


美:愛佳...?


名前を呼んで布団をめくったけど、そこに愛佳はおらんかった...。


愛佳、怒ったよね...。


美:はぁ。


うちは誰もいない保健室のベットに、小さなため息を吐いた。