みいちゃんと志田さんの後ろ姿を見つめていた私に、一つの声を誰かが放った。


葵:ストーカーじゃないんだから、やめなよね!

それは私が見つめる右側の廊下とは反対の、左側の廊下に立っていた葵の声。


怒ったか、傷ついたから、
屋上で私の横から居なくなったと思っていたのに、違かったのかな...?


そう思っていたからこそ、葵の行動に頭を悩ませていたら、


キーンコーンカーンコーン


授業が始まるチャイムが鳴った。


葵は焦りながら小走りで、自分の教室へ向かって行った。


でも私は葵とは逆で、ゆっくり歩いて席に座った。


どうしたら、みいちゃんは私の良さに気づいてくれるのかな...。


志田さんみたいになれば良いのかな?

無愛想で、素っ気なく返事をすればいいの?

それとも突然怒り出せばいいの?


考えたくもない志田さんのことを考えて、どうしたら彼女のようになれるのかなって、
私は授業中それだけを考えていた。



ー放課後ー

 みいちゃんと志田さんが付き合う前。

まだ部活が体験入部という状態だった、一週間前は、
放課後になると、
みいちゃんと葵を迎えに行って、三人でふざけあった。

だからあの時は、放課後が楽しみだったんだ...。


けど今は、ただただ辛い時間になってしまった。

そんな事を考えながら、私は一人で体育館へ向かおうした。


すると、

葵:理佐!私も行くー!!

子供みたいに大きく手を振る葵が、すこ離れた所に立っていた。


私は言葉をなにか返すわけでもなく、無言で葵の横を通り過ぎて体育館に再び向かった。

斜め後ろからは、

「理佐どうしたのー?」

「何か今日おかしくない?」

葵がたくさん話しかけてきた。

だけど今は、その言葉が邪魔で鬱陶しくて迷惑なだけで、
だかり私は立ち止まってから

理:うるさい!

強い口調でそう叫んで、早歩きで体育館へ向かった。