ー放課後ー

 いつもならすぐに出るこの教室に、私は残っていた。

しかも、鈴本さんと二人きりで...。

こうなった訳は、
私が用があるって、鈴本さんを引き止めたから。


そして私は今、鈴本さんを机に追い詰めていた。

バンッ!!

そんな音を立て、
私は机に手をつき、鈴本さんを机と私で挟んだ。

ただの好奇心や興味だった。
彼女はこれでも笑顔になるのか、知りたかっただけ。

下を向いていた顔を上げ、ゆっくり鈴本さんの顔を確認したら
鈴本さんは、笑顔と言うより驚いていた。

そりゃそうだよね...。

これで笑顔だったら、逆に怖かったかも。


自分勝手に変な確認をして、終わったからと私は教室を出ようとしていた。


すると私は、鈴本さんに手を掴まれた。

平:?

驚いて振り返ると、

鈴:平手さんって不思議だね。

鈴本さんは真剣な顔でそう言った。

だから私もそれに、真剣に言葉を返す。

平:私からしたら鈴本さんの方が不思議。

そう言うと、鈴本さんは

鈴:そうかな〜?

なんて言って、笑っていた。

平:今楽しいの?

そう聞くと、鈴本さんは大きく頷いた。

そしてその時何故か、私の心臓がバクバクと動いた。

もし鈴本さんを抱きしめたら、どんな反応をするのかな?

そんな興味が湧いたから、

私の手を掴んでいた鈴本さんの手を、
掴まれていない方の手で、上から掴んでスッと引っ張った。

すると鈴本さんは、私の中にギュッと収まる。

鈴:ひ、平手さん?

顔を真っ赤にして、驚きながら私を見つめる鈴本さんは、とても可愛い...。

平:私、鈴本さんに興味があるの...。

鈴:興味...?

平:うん。

鈴:やっぱり不思議だね?

そう言って笑ってる、鈴本さんの頭を優しく撫でながら、私は鈴本さんの肩に顔をうずめた。




ー次の日ー

ガラガラ

鈴:おはよー!


今日も鈴本さんは大きな声で挨拶をしていた。

そしてそんな鈴本さんを、今日も私は見つめていた。


すると

タッタッタッ

鈴:平手さんおはよう!

私の元に駆け寄ってきた鈴本さんは、笑顔で私に挨拶をして手を差し出してきた。

なんで今、握手?

そんなことを思いながら、差し出された鈴本さんの手を握ると、

鈴:平手さん、今笑ってるよ?

平:えっ?

鈴本さんの一声で、自分が笑顔になっていた事に気づきた。

その事に驚いている間に、鈴本さんは居なくなっていて
いつも居る人達に囲まれていた。

?:美愉って、平手さんと仲良かったっけ?

その子の質問に、鈴本さんは私の方を見ながら笑顔で、


鈴:仲良しだよ?



そう答えていた。