私は佑唯ちゃんと話したあと、
また、梨加ちゃんの元に戻ってきた。
莉:梨加ちゃん...。
梨:ん...?
名前を呼ぶと梨加ちゃんは、キョトンと私を見つめてから優しく微笑んだ。
二人で立っていると、梨加ちゃんの方がうんと背が高いから
私は、梨加ちゃんを見上げることが多い。
だけど時々、私が立っていて梨加ちゃんが座っていると
梨加ちゃんが私を見上げる。
その時の上目遣いがとても可愛いんだ...。
しばらく見つめあっていると
キーンコーンカーンコーン
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。
チャイムが鳴っても、席に座らない私に、梨加ちゃんが心配そうに話しかけてきた。
梨:上村さんどうしたの?具合でも悪い...?
莉:ううん、元気...。
梨加ちゃんは私の言葉にびっくりしたのか、少し口を開けて私の事を見つめている。
すると、
ガラガラ
ドアが開いて、国語担当の先生が入ってきた。
先生:よーし、授業始めるぞ。ん?上村どうした?
先生の一声で、クラスメイト皆が一斉に振り返るから、私はすぐに、
莉:なんでもないです!
先生にそう言ってから、すぐ席に座った。
本当は、休み時間に梨加ちゃんを教室から連れ出して
告白をしたかったんだ。
でも、それは失敗しちゃったから、
授業が終わったら、屋上に来てもらおうかな...。
授業中はそんなことを考えていて、ノートも取らなかった。
キーンコーンカーンコーン
待ちに待った、授業の終わりを知らせるチャイム。
そして私は、梨加ちゃんにこう伝えた。
莉:梨加ちゃん...!この後ちょっと屋上行かない?
梨:屋上...?
莉:伝えたい事があって...いいかな?
首を傾げる梨加ちゃんにそう言うと、梨加ちゃんは微笑んでから頷いてくれた。
ー屋上ー
屋上で私と梨加ちゃんは、向かい合って立っている。
告白をした事がないから、緊張と不安に押しつぶされそうになっていた。
すると梨加ちゃんは突然、私の右手を取り両手で包んだ。
そして優しい瞳に優しい口調でこう言った。
梨:ゆっくりでいいよ...?ちゃんと聞くから...。
その言葉を聞いて、私の緊張と不安は消えていった。
だって、梨加ちゃんだもん。
きっと受け止めてくれるよね...。
佑唯ちゃんに後押しもしてもらったし、後は私が勇気を出して伝えるだけ。
私はゆっくりと大きな深呼吸をしてから、梨加ちゃんに気持ちを伝えた。
莉:私が梨加ちゃんと出会ったあの日。
私の目の前で梨加ちゃんは転んで、体が痛いはずなのに、
ミルクの心配を一番にしていた梨加ちゃんが不思議で、でも優しい子だなってそう思ってた。
そして、別れ際に微笑んだ梨加ちゃんにドキッとしたんだ...。
私は、二年前のあの日から、梨加ちゃんに恋をしていました...!
ちゃんと言えた...。
その安心感から、
私は一気に力が抜けて、その場に座り込んだ。
すると私の隣に、梨加ちゃんは並んで座った。
続