おはようございます!

 今回もみやさんから頂きました!志田愛佳×平手友梨奈のペアです!
リクエストありがとうございました!
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私の名前は志田愛佳、最近二十一歳になった。

そんな私は仕事の日のお昼と夕方、一日に二回寄るコンビニがある。


今はお昼ご飯を買おうと、そのコンビニに来た。
するとそのコンビニの前には、座り込む何人かの女の子が居た。
制服ではないが見た目から学生だとわかる。きっと高校生だろう...

平日のお昼のこの時間、彼女達は学校なはずなのに
毎日必ず、雨の日でも居るんだ...

そう思いながら、コンビニで昼食を買い仕事先に戻った。


それから約四時間後...

仕事も終わり飲み物を買って帰るため、またコンビニに足を運んだが
驚くのは、お昼の時点でいた彼女達がまだ居たこと。

それにお昼の時より人が増えていて、コンビニに入る時なにやら会話が聞こえた。

?:おい友梨奈、お酒買ってきてー!

友:けどまだ、未成年だし...

?:知るかよ、だったら盗ってくればいいだろ!


盗ってくるって万引き?!
そう思いながら私はお店の中に入って、友梨奈って人が入ってくるのを待った。

少し経つと、
明らかに怪しい雰囲気があって、キョロキョロとしながらお酒の方に足を進めている彼女を見つけた。

私は近くの商品を見ているフリをして、彼女の手に注目していた。

すると手に持ったお酒をギュッと腕で抱きしめるように隠して、外に出ようとしていたけれど
近くに鋭い目で彼女を見つめる店員さんが居たから
危ないんじゃないかって思って、店員さんが声をかける前に私が彼女の手を掴んだ。

志:ちょっと待って!

ビクッ

彼女は恐る恐る振り返った。
けど店員さんじゃないと分かると、彼女はすぐに鋭い目に変わって私を睨みつけた。

そんな彼女の耳元で小さく警告をした。

志:店員さんが見てたから、このまま出たら危ないよ?

すると彼女は泣きそうな目になってから、私にお酒を押し付けてコンビニを出ていった。

外に出ると走っている彼女の後ろ姿に、コンビニの前で座り込む女の子達が

?:おい友梨奈どこいってんだよ!

?:逃げてんじゃねーし!

声を荒らげて叫んでいた。

志:まじ怖っ、悪質ないじめ...

そう思ってコンビニの中に戻ろうとすると

店員:オホンッ

コンビニの中から私の手元を指さす店員さんが居た。

志:あっ...

私は彼女に押し付けられたお酒を手に持ったままで外に出たから、やばい...。

そう思って、店員さんにペコリとお辞儀をしてから急いでお酒を元の場所に戻した。

結局何も買えないままコンビニを出て、
暫くは行けないな、なんて落ち込みながら家へと帰った。

家のソファに座り記憶をたどった。
何ヶ月も彼女達のことは見ていたけど、あの友梨奈って子大丈夫かな...?

私は不安になった。

だけどコンビニには暫く行けない、というか行きたくないし...

こんなふうに心の中一人で戦った。





...次の日


私が出した結論は、、コンビニに行くこと。

今日もお昼の時間、コンビニの前には座り込む女の子が何人かいて
その人達の横には、俯く彼女が居た。

私はポケットからゴミを取り出して、
ゴミ箱に行く時、彼女を横目でチラッと確認した。

私の目に映った彼女の肌は、あざだらけだった...

きっと原因は私。

昨日万引きしようとした彼女を止めたからだ、

けど私は間違ってないと思う、あそこで万引きをしていたら
そのまま店員さんに捕まっていたと思うし
警察やらなんやらで親にも怒られると思うし、学校だってまずいと思う...

まあ結局それで、
暴力を受けたなら、私のせいって言うのは間違いないよね...

そう思っても、社会人の私が高校生のあの子に出来ることなんてきっとない...

悔しい思いのまま私は会社に向かった。

けれどデスクに座って居ると彼女を考えてしまう。
仕事の事を考えなければいけないのにどうしても彼女を思い出してしまうんだ...

結局集中力が欠けたまま仕事を終え、急いでコンビニに向かった。

けれどコンビニの周りを見ても、今日は何故かいつもいる子達が誰もいなかった。

嫌な予感がした...

だから私は急いで彼女を探した。

コンビニの裏やその近くの道、けど彼女達はどこにもいない。
私は深呼吸をして耳に神経を集中させ声を探した。

すると小さいが何やら聞こえた


...キモイんだよ!

志:どこからだ、どこから聞こえる?


...どうしょうもないやつ!

志:こっちだ!

私は声の聞こえた方へ足を進めた。

...くたばれよ!

そしてついに見つけた、怯えながら電柱にしがみつく彼女を...

志:やめろよ!

私はすぐにそう叫んだ。彼女を助けるために...

もちろん怖いよ、
だって彼女の周りを囲んでるのは、髪を染めてピアスをジャラジャラつけ私を睨む女の子達なんだから。

心臓は自分でも驚くくらいドキドキしてる、
けどそんなのを感じさせないように、堂々と冷静に彼女に近づいて
電柱にしがみつく彼女の手を掴んだ。

そしてそのまま立ち上がらせて、スタスタと歩くけど
そう簡単に行かせてもらえるわけもなく、
誰かに腕を思いっきり掴まれ、すぐに強い言葉が飛んできた。

?:あんた友梨奈のなんなの?姉貴とか?

なんなのと言われたって答えられるわけがない。だってただの顔見知り程度なんだから...

俯く私に

?:答えられないならどっか行けば?

そう言って女の子は、私と彼女の繋がれた手を引き離した。

?:友梨奈なんなのこいつ?こんな奴ほっといて早くコンビニいこー

そう言って女の子は歩き始めて、彼女はその子について行くように歩き出した。

そんなにあの子達が大事?

そんなにボロボロにされてるのに何で?

そう思っていた私は彼女に向かって叫んだ

志:友梨奈!その世界から飛び出なよ...!

顔見知り程度の人からこんな事言われたらキモいよね、けどちゃんと知って欲しかった

世界は広い、そこだけじゃないって...。


彼女が今いる狭くて恐ろしいその世界から飛び出ておいでって、そう伝えたんだ、、。

そしたら彼女は私の方を向いて、不思議そうに私を見つめた。
こういう時どんな顔をしたらいいのだろう、
私にはよくわからない。

けど私は笑った、彼女が笑えるように...


そしたら彼女は笑ってくれて、私の元に駆けつけこう呟いた。

友:大人なのに貴女は他の人とは違うね...

世の中私のような人は意外と多いと思うんだけど、きっと彼女の世界には私のような人が珍しいのだろう。


志:これからはもっと色んなことを知れるよ?だって世界は広いからね!


そう言うと彼女は、驚きながら笑ってた。

その笑顔を見た私は、彼女の世界を変えたいってそう強く思った。