おはようございます!
今回はみやさんから頂きました、鈴本美愉×志田愛佳のペアです!
愛佳は紳士系をイメージしました...
リクエストありがとうございました!
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高校一年生で毎日を楽しく過ごしている。
朝は大好きなテニスができて、休み時間は仲の良い友達と喋り、
放課後はまた大好きなテニス。
まさに私が中学生の頃に想像していた、素晴らしい高校生活!
けど、そんな私にも一つだけ素晴らしくないものがある。
それは「恋愛」というもの
だけど私には恋愛なんて出来ない。
何故って?
だってまず、私が通っているこの高校は女子高だもん。
それなのに皆は、カッコイイ女の子だっているから!なんて言って今もキャーキャー叫んでる。
本当にあほらしい。そう思ってた
だから私は、皆が誰かにキャーキャー叫んでる間だけとても静か。
しばらくすると、皆の叫び声は消えて
席に座っていた私の元に、
一緒のクラスで同じテニス部である、仲良しの守屋茜が駆け寄ってきた。
茜:ねえねえ!なんでいっつも、志田さんが通ってもすずもんは来ないの??
あかねんが食い気味に聞いてきた。
だからそれに対して
鈴:興味無いもん!
そう言って席を立ち上がって廊下に出た。
廊下は、さっき志田さんが通ったからと
皆その話ばっかり。
私はそんな皆とは逆で、
入学してから今日まで志田さんの事をちゃんと見たことがなかった。
カッコイイ女子ってボーイッシュ系って事?
皆の話を聞きながら想像してみるけど、意味わからない女の子が私の頭に浮かび上がって
一人で笑ってしまった...
まあ私は興味なんてないしいっか!
適当に自分の心の中でまとめて
ロッカーから教科書を手に取り教室へと戻った。
...放課後
鈴:あかねん!早く部活いこー!!
茜:えっ?あっ、うん!
放課後になると私は大好きなテニスをするため、まだ帰りの支度をしていたあかねんの手を強引に引っ張り校庭へと出た。
鈴:やった!テニステニス!
準備運動と走りを済ませた私は上機嫌にコートの中へ入った。
だけど他の部員は誰もいなくて周りを見回すと、皆同じところに集まって、誰かを見ていた。
鈴:ちょっと何で誰もいないの?
私も皆が集まっている所に移動して、あかねんに話しかけたけど
あかねんは乙女な顔をしてどこかを見つめてる。
だけどそれは、あかねんだけではなく他の皆も。
皆の視線を辿ってみると、そこにはヘルメットを被りバットを握る女の子がいた。
鈴:誰...?
ボソッとそうやって呟くと、突然テニス部の皆が驚いた顔で私のことを見た
鈴:えっ?
茜:すずもん何言ってんの?志田さんにきまってんじゃん!
あかねんは笑いながらそう言って私の肩をポンポンと二回叩いた。
鈴:アハハそうだった...!
初めて見たけど、そんこと言ったら今度は睨まれそうだったから適当に笑って逃れた。
すると
志:またテニス部の皆さん、見てくれてるんですね?
ヘルメットを取ってバットと一緒に抱えた志田さんが、私達に話しかけてきた。
テニス部の先輩達は嬉しすぎるのか全員口が開いてるし
あかねんに至ってはヤバイ目をしていた。
鈴:はぁ
私はテニスがしたいのに、そう思ってため息をつくと
志:鈴本さん?
鈴:えっ?
私に志田さんが話しかけてきた。
志:鈴本さんは私に興味がありませんか?
何だか、ふてくされてるような顔をしながら志田さんは斜め下を向いていた。
その表情を見て申し訳ないと思った私は、こう言った。
鈴:いや、そんな事ないですよ?ただテニスがしたくて...
志:そうだったんですね...では守屋さん、そのラケットを貸してくれませんか?
そう言って志田さんはあかねんにニコッと笑顔を見せてから、ラケットを受け取っていた。
鈴:志田さん?
どういう事だろう?そう考えているうちに志田さんに腕を掴まれて
志:さあ行きましょう?
そう言われながらコートに連れていかれた。
腕を掴まれている間、
テニス部の皆からの不満が聞こえたような気がしたけど、
それどころじゃなくて、ほぼ聞き取れなかった。
コートに立つと
志:行きますよー?
その声で、私対志田さんの試合が始まった。
...
何でだか分からないけど、志田さんはすごく強くて完敗した。
鈴:悔しい...
ソフトボール部の志田さんに負けた事が悔しくて、その場にしゃがみ込んでいたら
志:フォーム綺麗でしたよ?
そんな声が聞こえて上を見上げれば、
悔しさも吹き飛んでしまうような笑顔を、志田さんが浮かべていた。
鈴:ありがとうございます、、
志:はい。
そう言って手を差し出した志田さんの手を握って、立ち上がった。
鈴:また勝負してください!
志:是非!
志田さんは返事をしてからヘルメットを被って、ソフトボール部の元へ走っていった。
鈴:よく分からない人...。
下を向いてボソッと呟いてから、顔を上げると
いつの間にか周りを、テニス部の皆に囲まれていた。
『ずるすぎるでしょ!』
『羨ましすぎるわ』
皆して笑いながら
私の頭を一人ずつ一言添えて優しく叩き、コートへと入っていった。
残ったあかねんが私に話しかける
茜:志田さんの良さ分かった?
ニコニコしながら質問してきた。
鈴:んーとね、全く分からない!
そう言って笑うと、
すずもんはやっぱりそれがしっくり来るね、なんて言いながらコートへと入っていった。
本当は全く分からない訳じゃない、
だって本当は、
腕を引っ張られていた時や笑顔を見た時に、
心臓がドキドキと動いたんだから...
終