おはようございます!
今回もMANAKAさんから頂きました!
平手友梨奈×小林由依のペアです!
リクエストありがとうございました!

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 私の名前は平手友梨奈、一ヶ月前高校一年生になったばかり、高校は家からバスで10分ほどの場所だ。
毎日満員のバスに揺られながら通っている。
そしてそんな私には気になる人がいた、

一番後ろの窓際の席に座っていて外を眺めている黒髪の女の子。

そんな彼女を気になっている理由は、何故か彼女は学校の目の前に止まるバス停で降りないからだ。
同じ制服で学校が一緒という事は分かる、なのになんでこのバス停で降りないのかが分からなかった。


...

ある日私は真相を確かめるべく、
遅刻覚悟でいつも降りるバス停で降りなかった。
次停車するのは、歩いて10分で学校につくほどの距離、

しばらくするとバス停に止まった

プシューー

彼女は立ち上がり、バスを降りた
その為私も急いで彼女に続いて降りる

そして彼女はバスで来た道を歩いて戻りそのまま学校へと着いた。
もちろん遅刻の時間、私は尚更訳が分からなくなった。

靴を履き替え職員室に向かった。遅刻すると遅刻届けみたいのを書かなきゃいけないんだ

遅刻するとこんなにめんどくさいのに彼女は毎日こんなことしてんだ、馬鹿みたい。

と言ってもそんな彼女が気になり追いかけて遅刻をした自分はもっと馬鹿か...

自分に呆れながら遅刻の理由を考えた。

平:んー、寝坊でいっか

理由の欄に寝坊。と書いて近くの先生にサインをもらう
そして今度はノートに時間、クラス、名前を書くのが決まり。

『八時三十五分、一年一組平手友梨奈』

そう書き終えるとふと上の名前に目がいった

『八時三十三分、一年三組小林由依』

時間から考えると、私が気になっていた彼女の名前だろう。

平:小林由依さんか...

私は遅刻届けを握って職員室を出た




ガラガラ

教室の中に入り教卓に遅刻届けを置いた。
丁度、授業が始まる前の休み時間に教室についたため、無駄に目立たずに席に座ることが出来た

?:てちー遅刻?

席に座るとすぐに隣の席の莉菜が話しかけてきた。
莉菜とは席が隣ということで入学してから一番最初に仲良くなった友達。

平:そうそう、気になる事調べてたら遅刻したー!

莉:気になる事?

平:うん!あっ、そうだ!莉菜は一年三組の小林由依さんって知ってる?

莉菜はひらめいた顔をして頷いた

莉:あー!ちょっと変わってる子の事?

平:変わってる子?

莉:なんか小林さんは何故か毎日10分くらい遅刻するんだって!だから変わった子だって噂になってるの!

莉菜はそう言うけど私はそんな噂聞いたことなかった、
ただ単に私が情報遅いだけかな...



一度気になると他のことに集中ができなくなってしまう私は、次の休み時間に小林さんのクラスに行って見ることにした。

キーンコーンカーンコーン

授業が終わり私はすぐに三組に向かった

教室を覗くと、窓側の一番後ろの席にポツンと座る小林さんがいた
誰と話すわけでもなく何かしている訳でもない
ただただジーッと動かずに座っているだけ

やっぱり不思議な子...

そう思って自分のクラスに戻った

席に座り、私も小林さんの真似をして無表情で何も考えずに時間を過ごしてみた

そんな私を隣の席の莉菜はジーッと見つめ、しばらく経つと話しかけてきた

莉:てち!何してるの?

その問いにすぐに答えた

平:小林さんの真似

莉:えっ?なんで小林さんの真似?

莉菜にそう言われたけど自分でもわからない。なんで自分が今小林さんの真似をしているのかが

平:何でだろ

そう答えるとジーッと前を見つめていた私の視界の中に莉菜が映った

莉:てち、小林さんに興味があるんだね!

そう言われて小林さんの真似を一旦やめた

平:だって気になるから...

莉:そうだった!てちは一度気になったら他のことに集中出来なくなるんだったね!

莉菜は流石だ、私のことをよく知ってる。


そして私は、やっぱり小林さんのことが気になってしまい
その日は全く授業の内容が頭に入らなかった。

そして放課後になると校門の前で小林さんの事を待っていた
だって聞きたいことが沢山あるから...

けれどいくら待ったって小林さんは来なくて、おかしいと思った私は上履きに履き替え小林さんのクラスに向かった

三組につくとクラスの中に小林さんが一人、窓から外を覗いていた

平:あの...

声をかけると小林さんは振り向いた

小:はい...?

首を傾げる小林さんの髪先を外から吹き込んできた風が揺らす

今までは後ろ姿や横顔しか見たことがなかったから、真正面からちゃんと見るのは初めてだった。

あまりの美しさで声をかけてから何も発さずにいると、小林さんが話しかけてきた

小:私に何か用ですか...?

その声で我に帰り、聞きたかったことを質問をした

平:あっ、ごめんなさい...その聞きたいことがあって、なんで学校の前のバス停では降りないんですか...?

私の質問に何故か小林さんは嬉しそうに笑った

小:その事を私に直接聞いてきたのは貴女が初めて...!

平:へっ?

小:だって皆して私を気味悪がってその事を聞いてこないから...

小林さんはさっきとは違い悲しそうにそう言った

平:なにか気になることがあったら、答えがわかるまでほかのことに集中出来ないタイプだから

苦笑いを浮かべて小林さんに伝えた

小:じゃあ答えないとか...私が毎日十分遅刻する理由はね、、
入学してからなかなか友達ができなくてさ、だから話題作りみたいな感じ!

平:話題作り?

小:けどそれが逆に近寄りがたくなっちゃったのかな...

なんて言った小林さんの涙をため潤んでいる瞳から、たくさんの感情が私へと流れ込んできた

平:気にすることないよ

小:えっ?

平:私がこれからは一緒にいるから...

そう伝えると自分の頬に熱を感じた、そんな私を見て小林さんは微笑んだ

小:若いのに頼りになるね...!

平:同い年なのに言うことが同級生の言葉じゃないよ!

小:そうかな?

小林さんは無意識でそう言ってたのかな、だとしたらやっぱり不思議な子だ


けど私は、小林さんみたいな子が嫌いじゃない







どちらかと言うと好きだ...