ついに夏休みも終わり、今日から学校がまた始まる。
夏休み中は学校の時のように毎日早起きはしていなかったから、久しぶりの早起きが辛かった

登校中に度々あくびをしながら、満員電車に揺られて欅坂駅に着いた

プシュー

電車を降りると懐かしい背中が見えた

茶髪でショートカット、あの後ろ姿は

志:渡邉さん...?

そう声をかけると足を止めてくれて振り返った

理:愛佳?

遊園地以来の渡邉さんに胸がドキドキした

渡邉さんの元に小走りで行って二人で改札に向かい、改札を抜けると私は隣にいる渡邉さんに話しかけた

志:遊園地以来だね!

理:うん...

志:夏休みどうだった?

理:充実できたよ?

そう言って笑う渡邉さんが可愛くて

志:可愛い...

ふと声に出てしまった

志:あっ、ごめんね...

謝ってから早歩きで先に学校へと向かったが
早歩きしながら自分でおかしいと思った、だって今までは隣に並んで歩きたいと散々思ってくせに
今は渡邉さんを置いて、その先を歩いてるんだから...


そう思い足をピタリと止め、来た道を小走りで戻った。




…………………………………
渡邉理佐side

短く感じた夏休みが終わり、今日から学校だ

久しぶりの制服を着て家を出た

電車に乗りこみ欅坂駅が近づくと辺りを見回し、愛佳を探した。
だけど結局見つからなくて、
違う時間の電車かと思い切なくなりながら電車を降りた

プシュー

改札に繋がる階段へ体を向け歩き始めると後ろから約二週間ぶりの懐かしい声がした

?:渡邉さん…?

私は足を止め振り返った

理:愛佳?

どうやら車両は違ったが愛佳と同じ電車に乗ってたみたい
すると愛佳は小走りで私のところにやってきた



志:夏休みどうだった?

愛佳のおかげで楽しい夏休みを過ごせたから

理:充実できたよ!

そう言って笑ったら

志:可愛い...

愛佳にそう言われて嬉しかった
それなのに愛佳は謝ってから早歩きで先に学校に行ってしまった。

理:はぁ...

しばらくその場に固まっていたが、
ため息をついてからゆっくり歩き出すと、前から愛佳が走ってきた

理:愛佳...?

愛佳は私の前で止まった

志:はぁはぁ...

息を切らして何かを言いたそうにしている

理:どうしたの?

志:あのまま...歩いて先に、学校行ったら後悔すると思って、戻ってきた...

愛佳は息を整えながらそう伝えてくれた

理:後悔?

志:うん...、あっ!ほら早く行かないと遅刻するよ!

愛佳の言う通りもうすぐで遅刻の時間だ
だから歩き出した愛佳の隣に自分から並んで学校に向かった



ギリギリ遅刻もせず学校についた私達はそれぞれ自分のクラスへと向かった。

愛佳があの時戻ってきてくれて、なんとも言えない喜ばしさを感じた。

そして私は愛佳に、話していないあの過去を話そうと決意できた、




だって愛佳なら受け止めてくれる、そう信じることが出来たから...